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プリンセス遥香-04 [高校生会議-03]

予定の時間となり洋子と共に退席、タクシーで帰途に就く。

「洋子、どうだった?」
「色々なお話を聞かせて頂いて参考になりました、少し難しい話も有りましたが。」
「一つ課題なんだけど、さっきまでの話を思い出して、分かり易く話してくれた人から、分かりにくかった人まで順位を付けて、明日にでも教えてくれないかな。
話の内容はこれから少しづつ理解してくれればいい事だから、今は分からなくても気にしないでね。」
「はい。」
「料理は?」
「美味しかったです、それにしても十人分では結構な額になりませんでしたか?」
「まあ、あのお店からの報酬分はあの店で使うつもりだから大丈夫よ。」
「そんなに沢山の報酬を頂いてるのですか?」
「お店で話した通りだけど、もう少し説明するわね。
あの店は中学生の頃、お父さんと何度か行っていたの。
私達の役目は売り上げアップを考える事、メニューや接客の改善や宣伝を提案して成果を上げたの。
その過程で、お客様に私のファンが増えてね。
皆さんは私のことを孫の様に可愛がって下さって色々教えて下さったわ。
高校生になってしばらく行ってなかったのだけど、部長研修を始める前にお父さんと相談してね、暇な日に行けば店にプラスになるだろうって。
それからお父さんと店長さんが相談して、私が店に行った事で増えた売り上げの何%かを私への報酬という事にして下さったの。
一日の売り上げが五万かもしれない様な日の売り上げが五十万になったら大きいでしょ。」
「遥香さま目当てでそんなに…。」
「単価が高いからね。」
「さらにお客様方からのカンパも頂いてね、中学生時代もおこずかいを上げたいと言って下さる方が多かったのだけどお断りしてたの。
でも今回は、部長研修の話から、部下にど~んと奢ってやれる様な部長になれって、そこから話が進んで私のサイフが一つ出来てしまった訳、きちんと管理して脱税をしない様に勉強中よ。」
「はぁ~、そういう額なのですね。」
「でもそっちは大した事ないわ、新規複合型店舗には億単位の支援を頂くから。」
「何か想像できないレベルです。」
「基礎研修でも投資関連の学習をしたでしょ?」
「はい、でも実際に自分が関係すると思うと…。」
「学校でどれだけ学習しても、実際の現場に出て見ないと分からない、お父さんやお店で出会った方々が口にする事よ。
だから、学歴を気にしない会社なら高卒で経験を積むのも有りという考え、手厳しい方は役立たずの大卒を雇うより、まともな大学に進学出来る力の有る人を高卒時から育て上げたいと話してみえたわ、でも学歴に拘る人が多いから簡単には行かないでしょうね。」
「それが特別専門職コースに繋がっているのですね。
私は高卒どころか、高校生の内から色々経験させて頂けるのですが。」
「でも厳しいわよ私は、あなたが普通にこなせる以上の課題を、ふふ、すでに今日経験したでしょ。」
「ええ…。」
「自信を持つのよ、洋子には、まだ自分で気づいていない力が有るの、まず、明日からは教室にいる時も姿勢や振る舞いに気を付けてね。
明日以降のスケジュールは前野と相談してくれた?」
「はい、明日は前野さんと北山さんからファミレスでの展開について説明を受けた後、うちの親にも会って頂いて、契約書にサインをと聞いています、なんかほんとに就職するみたいですね。」
「そう考えて欲しいわ、しばらくはバイト待遇だけど、私の部下達が認めたら、たとえ労働時間が短くても正規の社員、一旦私達の会社に就職したらグループ内での転職は容易だから、高校卒業のタイミングで違う職種にチャレンジする事も可能よ。」
「私…、社会的には中卒ですよね。」
「私もよ、まあうちの部で成果が見込めそうなら高校生社員を増やせないか考えているの、一度に話すと洋子が大変だから少しずつ話して行くわね。」
「は、はい、今日一日の事だけで頭が一杯です。」
「ふふ、すぐ慣れるわよ。」
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