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進路-02 [高校生会議-02]

「遥香さまはどこかのグループに申し込んで有りますか?」
「はい、まだ職種を決めた訳では無いのですけど特別専門職コースに申し込んで有ります。」
「かなり高い学力をお持ちだそうですが進学希望ではないのですか?」
「学歴より自分のスキルを上げる事が優先という形に惹かれています。
進学の場合は岩崎学園大学スーパー特別推薦を考えていますので、そちらは優子から聞かせて貰います。」
「分かりました、ではこちらへどうぞ。」
特別専門職コースにはすでに三名が来ていた。
成績の優秀さが求められるだけでなく総合力が要求されるが最終学歴は高卒になるという事で希望者は多くない様だ。
私達の着席を待って話が始まる。
「ここに来てくれたという事はそれなりに調べてる四人だと思うけどどうかな?」
「はい、私は大学には大学の良さが有るとは思っていますが、自分のスキルアップを考えたら効率的ではないと思っています。
ハードルの高さは覚悟の上で挑戦したいと考えています。」
「自分は研究職に付きたくて、大学での四年と特別専門職コースの四年を比較して、トライしたいと思いました。」
「自分の親は岩崎王国に随分助けて貰いました、その恩返しを一番手っ取り早く出来るのが特別専門職コースと考えています。」
「うん、真面目な人達が来てくれて嬉しいよ、遥香さまはどの様な思いでここへいらしたのですか?」
「岩崎王国は学歴よりも能力を重視しています、その象徴とも言えるのがこのコース、ここで成功を収める事が出来れば国王さまも喜んで下さると思っております。」
「有難う御座います、今日は皆さんのエントリー内容から先輩方に声を掛けさせて頂きました。
具体的な話は後ほど個別に進めて行きます、基礎的な事は理解してくれてる様なので、まずは先輩方とも親交を深めて貰えたらと思います、質問とか有りますか?」
「あの~、遥香さまと呼ばれている超美少女の存在と、先輩方が私達四人に対して二十人近いというのが理解出来ないのですが。」
「だよね、本来は君達の進路に関する重要な会なのだから、今からの話に反発を覚える人もいるかもなんだけど、でも、特別専門職コースを目指してくれるのなら広い視野で物事を見て欲しいとも考えている。
はっきり言って多過ぎる先輩方の中には遥香さまを一目見たくて来てる奴もいるんだ、だがその事によって君達がより多くの先輩と知り合うきっかけになったのも事実で、間違いなく君達にとってプラスになると思う、それで、遥香さまの事だが…。」
「それは私から話そうか?」
「ああ、頼むよ。」
「マーケティングの実験でも有るけど、元はただのお遊び、私達の集団の中にお姫様がいたらどうかというね、あなたは遥香さまを見てどう感じた?」
「正直緊張してます、僕の高校にも可愛い子いますけど、次元が違う感じで。」
「天皇は国民の象徴でしょ、私達の岩崎高校生会議第十七支部の象徴を遥香さまお願いして、大いなるお姫様ごっこを始めようとしてるの。
遥香さまがいるだけで場の雰囲気が変わるでしょ。」
「あっ、注目度を上げて参加者を増やしたりとか、そういう事なのですね。」
「本物のお姫様なのですか?」
「お父さまは部長をしておられる、バーチャルではこのエリアの病気がちな領主さまの娘ととして領民を見守って下さるという設定よ。」
「気品というかオーラがすごいのですが…。」
「今はお姫様モードだから特にね、でも普段も上品な方ですよ、さらに特別専門職でも岩崎学園大学スーパー特別推薦でも合格出来るレベル、一目見たくて来てる連中も単に外見だけでなく今までの成績にも興味を持って来ているのよ。」
「私の様な下々の者とは口をきいて下さらないのでしょうか?」
「お姫様モードの時はお姫様ごっこに付き合ってくれれば大丈夫よ、ですよね、遥香さま。」
「ええ、二つの人格を同時に演じる事は不可能ですから、よろしくお願いしますね。」
「あ、あっ、こちらこそ、よ、よろしくお願いします。」

それからは先輩方の体験談を聞かせて頂いたり、特別専門職試験の流れなどを教えて頂いた。
私達、四人の参加者にとって有意義な時間だった。
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