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134-示談 [岩崎雄太-14]

生放送に対しての反響は大きかった。

「譲治、あの出版社が謝って来たそうよ。」
「へ~、ようやくですか、こちらからは一切コンタクト取ってないのですよね、里美姉さんの方でも。」
「ええ、岩崎家としては無視する事にしたからね、先方は、抗議が殺到してようやく事の重大さが分かったみたい、広告の取りやめとかも着々と進んでいるしね、編集者と記者は解雇するそうよ。」
「それで許してあげるのですか?」
「無理でしょうね、岩崎家の子ども達がひどい事を書かれたのよ、簡単に許してしまってはお父さまの私達に対する想いが軽く思われてしまう、下手に許してしまったら今度は実子でないから許せるとか、他の週刊誌に書かれるわよ、ファンクラブの会員だけでなくスポンサー企業中心に熱くなってしまってるから簡単には収まらないわ。
知り合いのライターからも、自分のイメージが悪くなるから、あの出版社関係から手を引くってメールが入ったぐらい、すでにかなりのダメージになっているでしょうね。」
「結局記者の意図は分からないまま終わりそうですか?」
「単純な懲戒解雇では済まないレベルになりそうだから、ただの馬鹿だったのかしらね。」
「覚せい剤とかが絡んでいる可能性はどうでしょう?」
「否定できないわね、調査担当にも伝えておくわね。」
「岩崎ファミリーとして、落としどころはどうします? 謝って来たのなら。」
「示談という事でも無いけど、おねだり企画に協力して貰うって形にしようと思うけど、どう? お金ぐらい貰ってあげても良いでしょ。」
「金額を公表してあげるのですね。」
「金額が妥当であれば攻撃の手が緩むのかな、でも…、多分、売り上げが落ちてる最中でしょうからね、幾らぐらい出せるかしら、何にしてもどうなって行くのか、楽しめそうね。」
「おねだり企画の全国展開はどうします?」
「吉沢さんが生放送で口を滑らせ、さらに譲治が上手く視聴者に印象付けたから、局としても動かざるを得ない、というより乗り気みたいよ、キー局の偉い人から連絡が入って、大きなキャンペーンにしましょうと話して下さったわ。
毎年放送してるチャリティー番組の柱にしたいそうよ。」
「それなら小学生への誕生日プレゼントぐらいは何とかなりますかね。」
「ええ、でも人のシステムを構築して、進学支援とかをもっと充実させるレベルまでにしたいわ、視聴者の方から応援したいという申し出もすでに来てるそうだから。」
「運営体制がまだ確立出来てないからな…、里美姉さん、施設の職員って結構忙しいですから、事を急いで負担を掛けたくなかったのですよ。」
「分かったわ、配慮する様に強く指示しておく…、そう言った部分へも番組で目を向けて貰うべきね。
今回の事でテレビへの出演回数が増えるかもしれないわ、私達のチャンスにしましょうね。」
「はい。」
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