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59-明日檜 [岩崎雄太-06]

市民の結集に向けて、まず廃村復活サポートチームのメンバーが中心になり、市民団体明日檜を結成、
政治団体みどりの風設立の手伝いをしていた者だけでなく、幅広い年齢層から多くの参加が有った。
結成総会の日。

「あっ、お久しぶりね、田中さんも参加するの?」
「おお、同窓会以来だね、うちの甥が廃村復活サポートチームのメンバーで色々聞いていたんだ。
みどりの風設立会見の様子もネットで全部見た、甥によると秋山史枝代表は美人なだけでなく、かなり頭の切れる人だそうだよ。」
「ほんと美人よね、まだ三十前なのに落ち着いてるし、彼女達ならこの町を良くしてくれると思うわ、バックには岩崎家もついてるし。」
「そうなんだよな、俺の会社は岩崎学園大学の実習を引き受けたけど、学生代表の谷川くんが来て色々提案をしてくれたんだ。
それを実行に移したら、売り上げは伸びるわ、工場の効率は上がるわという感じでね。
明日檜は市内の企業や個人商店を、彼等とも協力して盛り上げていこうという事だから楽しみだよ。
観光だけの町から脱却しないとだめだろ。」
「そうよね、町全体を盛り上げたいわね、生徒会やってた頃を思い出して頑張るの、生徒会長?」
「はは、昔の話だよ…、君は復活した村へは行った事有る?」
「まだないの、でも番組は欠かさず見てるわ、毎週末は盛り上がってるみたいね。」
「この前、甥に誘われて行って来たんだけど、まさに学園祭という感じで賑わっていてね、周辺の市町村から来てる子も多いそうだ、ああいった施設が有ると若者も地元で就職という気持ちになるんじゃないのかな。
店も若者向けの商品を豊富に取り揃えていて繁盛してた、その賑わいを町中に広げようというのが、市民団体明日檜なんだってさ。」
「盛り上がれば税収も増えて、さらに良くなる、今までは悪循環が続いて人口も減る一方だったから…、ここで流れを変えて、住みたくなる町にしたいわね。」
「政治はみどりの風、経済は明日檜…、まあ経済だけに拘る必要はないな、みどりの風への支援は寄付という事になるのかな。」
「安く済ませると言っても供託金とかも必要よね、市長選の後は市会議員選挙が有るし、県議会や県知事、国会とかも視野に入れて欲しいわ。」
「そうだよな、岩崎さんが何とかしてくれそうだけど、彼ばかりに頼ってちゃだめだな。」
「ねえ、グッズ販売ってどうかな?」
「グッズ?」
「まずは美人市長候補をあしらったタオルとかシャツとか、ただで配ると問題だけど売るのなら大丈夫じゃないかしら。」
「市長候補とうたうとまずくないのかな、公職選挙法って難しいよな、でも秋山史枝と七人の侍だけの表示なら問題ないだろう、良い絵が出来るかな。」
「何にしても後でスタッフの人と相談ね。」
「そうだな、製造を市内の会社に委託、販売は町中の店が協力…、観光客が買いたくなるレベルに出来れば、明日檜の目的とぴったり合うけどな。」
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