SSブログ

原石-08 [飯山美里-05]

美里をすべての過疎地のシンボル的存在にというのは難しい側面が有ります。
交通の不便な他の過疎地まで彼女に行って貰うというのは負担が多すぎて無理が有ります。
より深刻な土地ほどここから遠いですし。

「九月からは、遠くの過疎地の事も積極的に取り上げて行く事になったわ、美里ちゃんは資料を見て解説したり、感想を話したりという形で基本録画になるけど、どうかな。」
「録画ならじっくり出来ますね、平日の昼間は時間が限られると思いますけど撮影は大丈夫ですか?」
「台本と、画像を先に見ておいてとなるかな、一度に何週分も撮るから覚悟しといてね。」
「はい。」
「後、比較的近い所はドライブ気分で現地へ出かけても良いけどどうかしら?」
「そうですね、ここに越して来てから色々有って遠くに出かけてないから悪くないです。」
「じゃあ、お父さまとも相談してみるわね。」
「ねえ田川さん、ふと思ったのだけど過疎の問題とかを紹介するのって普通大人でしょ、子どもの私でほんとに良いのかな。」
「ふふ、深刻な問題を暗い顔したおじさんが話してても楽しくないでしょ。
楽しくない話題だから人は見ない、ならばせめて解説は可愛い小学生にしてみようとなったのよ。
しかも美里ちゃんは、過疎の問題を随分調べていて知識も有るから、大人としても楽なのよ。
おバカキャラを探すのは簡単だけど、知性派は簡単に見つからないと思うしね。」
「知性派って言っても私は、田舎の小学校の優等生ってだけだから、大した事ないですよ。」
「もっと自信持ちなさい、あなたはここに越して来てから大勢の人達と交流して来たでしょ、町の人だけでなく大学生や会社関係テレビ局関係とか、うちの大社長とも親交が有るし、そんな優等生は都会でもそんなにいないわよ。
単なるガリ勉の優等生なんて私は興味ないわ、美里ちゃんだからチーフマネージャーやってるのよ。」
「う~ん、ここで良い経験をさせて頂いてると父が話していたのは、そういう事だったのかしら。」
「そうよ、そして素敵な女性になってね。」
「はい。」

もうすでに素敵な女の子、この子がこれからどう成長して行くのか楽しみで仕方有りません。
コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。