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夏に向けて-07 [飯山美里-04]

土曜日、夕方の情報番組、夏休みが始まる頃から娘がレポーターとして参加する番組のスタッフとチーム美里のメンバー、総勢三十名近くがやって来ました。

「おお、写真で見てたよりうんと可愛いね。」
「やっぱり大人っぽい服にして正解だったわ。」
「美里ちゃん、髪はこんなんでどう?」
「こんなおしゃれにした事なかったから何か照れくさいです。」
「似合ってるよ、今日は頼むね、台本の方はどう?」
「一通り覚えたつもりですけど。」
「初めてだから緊張もするだろうけど、下手でも全然大丈夫だからね、小学生が上手だったら大人達の立場がないだろ。」
「ふふ、わざと下手にやった方が良いですか?」
「はは、その必要はないよ、始めはこの施設の紹介からだけど準備は良い?」
「ええ、大丈夫です。」

撮影が始まりました。
この地の説明、過疎の話、我が社の話、移住、転校について、恰好良くキャンペーン、夏のイベントについてなど、盛り沢山な内容ですが、編集して番組では複数回に分けて放送される予定です。
地元の人にインタビューしたり、友達にも出て貰ってる為かあまり緊張してない様で順調に進んでいます。
最後は我が家が撮影現場です。

「美里ちゃん今日は楽だったよ。」
「そうですか。」
「NGを出してないでしょ、初仕事とは思えない、台本も全部頭に入ってるだけでなく自分の言葉にしてるんだね。」
「ええ、先生からそうした方が話し易いから、問題のない範囲で直しなさいって。」
「それを実行出来てしまう君は素晴らしいよ、場合によってはおバカキャラも考えていたけど、素敵な女性路線で行こう、普段はお転婆だったりするの?」
「ふふ、それは友達に任せて有ります。」
「う~ん、一つ番宣向けの絵が欲しいけど…、どこか背景に良い場所有るかな。」
「ここの森ではどうですか、父達が大変な思いをして綺麗にしてきたのですが、これからもっと綺麗にして行こうって、森林浴したくなる様な森への、夢の途中なんです。」
「そうか、ここに移住して荒れてた森を少しずつ手入れしてか、夕日の感じも悪くないな、ちょっと川の向こうに立ってくれるかな、表情は静かな笑みで。」
「はい。」

森に溶け込む少女、その神秘的な映像はすぐ番組宣伝で使われる事になりました。
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