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転居-02 [飯山美里-01]

「お姉ちゃん何時迄寝てるの、風邪ひくよ。」
「あれっ、私そんなに寝てた?」
「そうでもないけど、寒くない?」
「確かに寒いわ、これから私達、ここで震えながら暮らすのね…、詩織はこんな田舎大丈夫?」
「分かんない、でも森が有って綺麗な川が流れていて、好きになるかも。」
「いやぁ~、遊びに来るのなら良いけど、住むのは違うんじゃない?」
「横山さんは住めば都って話してたわ、どんなとこでもそこで暮らせば自分にとって良い場所になるんだって。」
「ふふ、ちゃんと母さんに意味を教えて貰ったのね、でも友達と別れる事になるのよ。」
「そうね、うさぎのミミちゃんに会えなくなるのは寂しいかも、でもね、ここで動物飼っても良いんだって、その候補にはなんとヤギさんがあがってま~す。」
「えっ、ヤギって簡単に飼えるの? って、その前に人間の友達は?」
「私はお姉ちゃんみたいに色々出来ないから、すぐ馬鹿にされたりして…。」
「うん、まぁ私も似た様なものなのかな。」
「あっ、忘れるとこだった、自分達の部屋を決めようかって、お父さんが。
部屋が多いから一人一部屋でも良いけど、これからの季節、暖房が心配なんだって。」
「それは微妙な問題ね、でもせっかく広い家なんだから、ゆったりと暮らしたくない?」
「私達の仕事が増える事になっても良ければ、一人一部屋、それが嫌なら二人で一部屋という事にしようかなって。」
「で? その仕事は何なの?」
「薪拾い、森で落ちてる枝とか拾って来るんだって。」
「え~、それって江戸時代? うわ~、どんだけ田舎なの? 平成の日本でそんな事してる小学五年生の女の子なんていないでしょう!」
「お姉ちゃんは大袈裟だなぁ。」
「でも、まあ、詳しくは父さんから直接聞く事にする、まずはどっちにしろ私等の部屋の候補を決めておこうか。」
「うん。」
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