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事業展開-06 [安藤優-09]

一月の始め、優が社長を務める株式会社つぼみのオフィスでは優の父、株式会社桜根CEO安藤隆二から桜根グループ全社員に向けて発せられた言葉が話題になっていた。

「グループ全従業員数が七十万人を越したとはね、その全員に向かって職場環境などに問題が有ったら遠慮せずに直接桜根本社窓口へ連絡して下さいって、他の企業なら考えられない事だぞ。」
「そうよね、桜根グループが社員を大切にする姿勢を示し続けてきて、会社が大きくなった今でも変わってない、トップの姿勢がブレてないという事に安心し、また頑張ろうって気になるわよね。」
「安藤CEOの話は分かり易いんだよな、よその社長の話を聞いた事が有るけどやたら英語みたいなのを使ってさ、聞いてる側に色々な人がいる事なんて意識してなかった、うちのCEOはきちんと七十万人と向き合ってくれてると感じないか。」
「そうよね、問題がなければさらに従業員を増やして行きたいとの話も、社会の安定に繋げたいとの思いからなのよね、海外展開も単なる桜根の利益だけでなく現地の方の事を考えてみえる訳だから、優くんの次なる展開に向けて私達も頑張らなきゃ、ですよね。」
「具体的なうちの増員計画はどうなってるの?」
「ああ、大卒高卒の新人と中途採用、合計で二十名ぐらいを予定している、研修の結果を見ながら部署が決まって行くと思うけど、問題はうちの大将のスピードだな、新規事業を突然提案されても対応したいし、海外事業をこなすにはそれなりの能力も必要だろ、一応桜根本社とも連絡を取り合って大将の足を引っ張る事の無いように考えているが、場合によっては皆の協力が必要になるかもしれない、その時は頼むな。」
「問題は海外展開をどこから始めるかね、英語圏からなら比較的楽だと思うけど。」
「スタート時は一つでも、徐々に増やして複数同時進行になるだろうな、俺としては大将の力を最大限に生かして頂ける様に形を作って行くつもりだけど、大将の能力は計り知れないからなぁ~。」
「だよな、あの頭にどれだけの情報が詰まってるんだろうって思うよ。」
「ねえ、飛び級で留学って話、どうなったのかな?」
「留学してるより、桜根の海外展開支援をしたいとの事、その代わり高校三年間は論文を書いてそれが認めて貰えるかどうかで、ご自身を試されるそうよ。」
「なるほど、それなら興味を持たれた分野を、お好きな時に取り組めるという事だな。」
「そして我が社も安泰だね。」
「でもうちの大将から何が飛び出すか分からないぞ。」
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