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室長-17 [安藤優-04]

ヨーロッパ旅行、それは優の力を改めて社長特務室のメンバーに見せつける場となった。

「なんかさ…。」
「宇野さんどうかされました?」
「なんか、自分が役立たずに思えて来たよ。」
「ですね、私に出来る事は室長の負担を減らす事ぐらい…、それも充分に出来ているとは思えなくなってきたわ。」
「ここまでイタリア語フランス語ドイツ語だもんな、学生時代第二外国語で履修したドイツ語はほんの少し分かっても、室長がドイツ人と話してるのなんてさっぱり分からない、業務提携の話がどんな風にまとまったのかは室長に教えて貰うまで全然分からないなんてな。」
「これを機に特務室メンバーも見直しかしら。」
「だな、フランス語やドイツ語が解る人とかも…、英語だけでも何とかなると思っていたけど、本格的な提携や桜根子会社を考えたらな。」
「大きな会社なら英語だけで何とかなっても、うちは小さいとことも積極的に繋がって行くから主要言語は押さえておかないとだめみたいね、何時も室長に頼る訳にも行かないし。」
「唯一の救いは日本語を学習してるという人が思っていたより多かったという事ぐらいかしら。」
「やはり日本の企業に興味のある人達が相手だからな、う~ん日本語教室的なのがここで盛んになってくれるよう企画案を出してみようかな。」
「フランスでのスピーチも会場の雰囲気を見てると成功だったみたいよね。」
「雰囲気でしか判断できないなんてな。」
「じゃあ宇野さん、フランス語の学習する?」
「いや~さすがにきついでしょ、英語で苦労してきたぐらいだからさ。」
「言葉の問題だけじゃないのよね、通訳の人が教えてくれたけど新聞やテレビでも取り上げられて、しっかり結果も、当初の目標は確実に達成してるわね。」
「ヨーロッパ統括支社の人も喜んでたな、仕事がやりやすくなるって、始めは上司が子どもだなんてプライドは、とか聞かれたけど、後で謝られたよ、社長特務室と子どもの室長の事が良く分かってなかったそうだ、通信手段が発達しても実際に会って話をする事は大切だな。」
「それが通訳抜きならなおさら効果的って事なのね。」
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