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中学校-20 [チーム桜-10]

夏休みに入ったばかりの中学校。

「結構な人数が来てるね、これじゃあ夏休みと言えないな。」
「先生方には悪いことしたかな、私達だけじゃ管理上の問題が有るのよね。」
「でも研修を兼ねる形になったから良いんじゃないの、これまでの調査内容も私達とは違った角度から見て頂けると思うし、他校の先生もみえるそうだから。」
「部活の早朝練習組も来たからそろそろ始めるか。」
「さすがに三年生だけあって、もう始めてる子もいるわね。」

「おはようございます、始めてる人もいるけど、少しだけ説明させて貰って良いかしら。」
「はい。」
「このクラスは選べる宿題から質、量ともに最高レベルを選んでくれた人達だから、細かい事は言いません、分からない事が有ったらスタッフに聞いて下さい、友達同士教え合う事もぜひお願いします、人に教える事によって自分の理解が深まりますからね。
余裕が有る人には高校レベルのステップも用意して有りますので申し出て下さい、学習内容の次の段階を知る事によってより理解が深まります。
ただ、手元に有る宿題内容で手一杯という人は、まず、その宿題をきちんとこなして下さい。
私からは以上です、質問が有ったら挙手でもアイコンタクトでも構いませんので気軽にどうぞ、では続けて下さい。」

隣のクラス。

「始めに話しておきたいのは、この宿題を通して自分の苦手な所をチェックして欲しいという事です。
自分で判断する、きちんと判断出来るようになるという事を、このクラスの大きな目標と考えています。
私達は単に数学の問題を説明するといった事より、皆さんの学習への取り組み方とかを一緒に考えて行きたいと思っていますのでよろしくお願いします。」

さらに隣のクラス。

「なあ、下剋上って知ってるか?」
「知ってるよ!」
「このクラスは下剋上を狙う事も出来るクラスなんだ。」
「え~、どういう事?」
「まあ強制はしないが頑張っても良いって事だな。」
「はは、適当に…、一番楽な宿題じゃ親も残念だろうと思ってこの宿題にしたけど。」
「強制されたって良い結果は出ないだろ、だから強制しないけどゲームとしてだな、なあ、どうせ勉強するなら面白い方が良いだろ。」
「面白くないよ。」
「どうして面白くないんだ?」
「なんかつまんないし。」
「じゃあ今からライバルを決めよう、どうだお互いテストの点数とか順位とかで近い人いないかな?」
「俺、期末の数学五十三点!」
「そうなのか、俺は五十五点だからお前はライバルに出来んな。」
「似た様なもんだろ、俺は四十一点だったけど…、こいつらをライバルにしろって事ですか、岡井さん。」
「根性が有ったら軽く抜けるんじゃないのか?」
「次のテストは二学期か…。」
「何なら、希望者だけの特別テストを実施しても良いけど…、参加者が一人とかじゃつまんないけどな。」
「私…、参加したい、まだ受験する高校決めてないから…。」
「そうか、麻友には勝てる気がするから俺も参加するよ。」
「他の皆はどうする、参加するもよし、見守るもよし、協力するも良し。」
「麻友に勝てそうだからって根性が気に食わないから俺が叩きのめしてやろう。」
「だな、特別テストは何時やります、内容は?」
「そうだな、日程は色々相談しなきゃだけど範囲は今回の宿題の範囲からでどうかな、全く同じ問題は出さないけど。」
「賞品とか有ると燃えるんだけど。」
「それは、スタッフの皆さんにご迷惑を掛ける事になるから…。」
「わ、私が何か作ろうか、な…。」
「麻友の手作りグッズなら男子も嬉しいんじゃないの?」
「…。」
「まずはルールをもっときちんと決めてだな。」
「絶対負けらんねえ。」
「あっ、お前、麻友の事興味ないって言ってたよな。」
「興味がないのは、その…。」
「でも麻友が勝った時はどうするの?」
「そうよね、私は麻友の手助けをしたいわ。」
「私も手伝うわよ、麻友、友達だもんね。」
「うん、有難う。」
「そっか麻友ちゃん人気者なんだ、俺も参加して麻友ちゃんの手作りグッズ欲しくなって来た…、はは、やっぱだめか?」
「だめですよ、でも麻友は優しいから…、岡井さんの為に何か作っちゃうんだろうな。」
「あ~、麻友ちゃん気にしないで。」
「手遅れね。」
「岡井さ~ん、麻友の事ちゃんと知ってましたか~。」
「ちょっと、この団結力聞いてないんだけど…。」
「麻友は天然なとこ有るけど、う~ん天然だからかなぁ~、ふふ、男子達の気持ちは初めて知ったけど。」
「まずは宿題やろうか。」
「あ~、そうやって逃げるか~。」
「はは、やる事やってから追求しようぜ。」
「健くんが言っても様にならないけど、マジで勝負してみたくなってきたわ。」
「受けて立つぞ!」
「はは。」
「ただな、やみくもに問題を解いても意味は無いんだ、自分がどこまで理解出来ていて、どこから理解出来てないかを見極めれたら、それだけでも価値は有る、もちろん理解できて無い部分を理解して行く作業が大切では有るけどね、じゃあ数学の宿題を始めよう、三十分で切るからそれまで集中して取り組んでくれるかな。」
「いっちょやってやるか。」
「負けられねえな。」
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