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F組三国志 5-2 [F組三国志 5 平岩周]

えっと地下鉄覚王山駅の、一番出入口を上がった所だから…。
あっ、笑い声が聞こえる。
みんな来てるのかな…。

「おっ、平岩、おはよう。」
「ああ、おはよ。」
「おはよう、これでみんな揃ったね。」
「じゃあ、行く?」
「うん、あっ、静さん、荷物多いのね。」
「お、俺が持つよ。」
「有難う、平岩くん。」
「へ~、平岩って紳士なんだ。」
「いや、そんなんじゃないけど、今日は仲間に入れてもらったって感じだからさ。」
「じゃあ、頼むな。」

「省吾の家までは遠いの?」
「日泰寺の裏を下りたとこって感じ、一キロちょっとかな。
歩くのつらいって人がいたら親父が迎えに来てくれるって言ってたけど。」
「風が気持ちいいから歩きが良いかも。」
「うん、そうだね。」

「そうそう、遠足の写真持って来たわよ。」
「そう言えば麻里子けっこう撮ってたわね。」
「美咲、これなんかどう?」
「あ~、ボートの! やっだ~!」
「お似合いじゃん。」
「しかし、まいったよな、哲平たちがあんな企みをしていたとはね。」
「麻里子は信じてたのに…。」
「楽しい青春の一ページということで、クラスも盛り上がったし。」
「ははは。」
「も、もし省吾と別れることになったら一生恨んでやるからね。」
「お~こわ。」
「たかが都市伝説じゃないか。」
「されど都市伝説よ。」
「でもさ、由香って美咲と付き合い長いじゃない。
その彼女が二人は簡単には別れないって断言してたわよ。」
「根拠は?」
「二人の性格とか、占いもほどほどに良いんだって。」
「なんだ、すごく相性ピッタシとかじゃないんだ。」
「そういうのって結構だめらしいわよ。」
「ふ~ん。」
「そういえばさ、静さんってどうなの?」
「どうって?」
「好きな人とかさ。」
「えっと…。」
「そうか、うふふ、いるんだ、って意外と分かり易い人なのね。」
「ふふ、麻里子、しずかちゃんをいじめちゃだめよ。」

はは、奥田麻里子ってほんとに元気というか、結構かわいいな…。
森たちとつるんでるより楽しいかも。

「え~、遠路はるばるお越しくださいまして、まことに有難うございます。」
「へ~、立派な家ね。」
「ただいま~、みんな連れてきたよ~。」

「はいはい、みなさんようこそ、今日はゆっくりしていってね。」
「はい、おじゃましま~す。」

「まずはお茶でもどうぞ。
で…、えっと、父と母です。
後、中学生の弟と妹がいるんだけど、今日は部活とかで夕方まで帰らないから…。
まずは勉強会の流れを説明しておくね。
最初に今後の数学小テストの流れとポイント。
中学で学習したことにプラスされて、高校の数学がある訳なんだけど、中学で学習した筈のところがね、先生の説明では、中学と微妙に表現が違っていたりして、全く違うことのように感じてる人も少なくないみたいなんだ。
だから、まずは、そのあたりを説明させてもらうね。
その後は個別学習、で特に質問とかあったら答えていくけど、今日は親父も同じ部屋で仕事してるから、俺が手一杯だったら親父に聞いてくれても構わないからね。
親父からは何かある?」
「そうだな、今日は息子の先生ぶりを見せてもらう、ってとこなんだけど、私でも高校ぐらいの数学なら大丈夫だから、気軽にね。」
「じゃあまずは…。」

へ~、うちの親父とはずいぶん違うな、やっぱ大学教授ってことか。
折角だから真面目にやるかな。
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