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F組三国志 3-2 [F組三国志 3 河西哲平]

「なあ省吾、今日の数学よく分からなかったんだけどさ。」
「ああ、う~んと、そうだな中学生の頃とは色々違うからな、でもポイントを押さえていけばけっして難しいことじゃないんだぜ。」
「ここらへんなんだけどさ…。」
「うん、ああ、これはね、哲平…。」

…、えっ、そんな簡単なこと?
数学の先生より省吾の説明の方が分かりやすいじゃんか。

「サンキュー、なんか先生の話聞いて難しく考えすぎていたよ。」
「はは、あの先生は簡単な事を難しそうに話す傾向があるからな。
まあ俺は先生の話を聞く前に自力で理解してるから、あんな分かりにくい説明は必要ないけどね。」
「師匠と呼ばせて下さい。」
「ははは。」

「あらっ、昼休みに二人でお勉強?」
「あっ美咲。」
「おっと、おじゃまかな?」
「よせよ、それより、哲平、この前のこと考えてくれた?」
「ああ、だから気軽に数学の質問させてもらったわけさ。」
「へ~、どういうことなの?」
「哲平中心のグループの話し。」
「交換条件に数学を教えてもらう話しを出してね。」
「あっ、私も教えて欲しい、今日の数学よく分からなかったんだ。」
「ははは、先生より省吾の方が分かりやすいぞ。」
「ほんと?」
「さてね、まぁ近いうちに勉強会でも開くかな?」
「やろ、高一から進学塾なんて行く気なかったけど、今日の数学の授業聞いてたら不安になってきたのよ。」
「そうか、あのせんせ進学塾から金貰ってるんじゃないのか、なあ省吾。」
「はは、有り得ない話しじゃない所が怖いな、その内進学塾の案内なんか配り始めたりしてさ。」
「まさか、そこまではないでしょう。」
「ははは。」

「そうそう、グループの話しは省吾から聞いて考えているんだけどさ、もうすぐ遠足だよね、秋山さん。」
「ええ、遠足って言っても、まぁクラスの親睦を深めるって程度の簡単なものだけどね。」
「そのグループ分けって明後日?」
「うん。」
「幾つのグループに分ける予定?」
「そうね、一グループ五人で八つってどうかしら?」
「うん、それに賛成、省吾は?」
「良いかも、高校生にもなって大勢でぞろぞろ歩くことに抵抗感を覚える奴もいるだろうからな。」
「でも、別に同じ所へ行ってもいいんだよな。」
「もちろんだ。」
「俺と仲いい奴に、林徹と黒川淳一がいてさ、この二人微妙に対抗意識があってさ。」
「ああ、分かる気がする。」
「俺含めて三人がリーダーになってメンバー集めをしたら面白いかと思ってさ。」
「もしかしてゲーム感覚ってこと?」
「うん、秋山さん、省吾からも提案があったからね。」
「どんなゲームに?」
「まずは人数集め、自分以外に四人集めれなかったら負けだな。
次は女の子の人数、野郎三人で競うのだから当然でしょ。
ただ、これだけじゃゲームとして面白みに欠けるかな。」
「徹と淳一なら、かわいい子はポイントが高いとか言い出しそうだな。」
「うん、でもそれだと省吾たちの思いとはずれてしまいそうでさ。」
「メンバーたちが遠足を楽しめたかどうか、遠足の後でアンケートをとって、それでポイントをつけたらどうかしら?」
「なら、秋山派でも、女の子の人数とかでは競えないけど…、麻里子さんならリーダーやってくれそうだから、後は美咲と俺とでこっちも三つのグループ作るか?」
「おいおい彼女と別でいいのかい?」
「はは、まあ行く先は同じにするからな。」
「と、いうことは六グループが同じとこで集合ということも有るのね?」
「うん、残りの二グループにも声は掛けておけば、問題ないかな。」
「グループ分けうまく行くかしら?」
「そうだな、まずは自由に集まってもらって、五人そろったところから固まって座ってもらえばいいんじゃないか。
俺は残りそうな子中心にゆっくり集めていくよ。」
「省吾、ぴったりにならなかったら?」
「四人でも六人でもいいと思うよ。」
「そうだな、五人でなきゃいけない理由もないしな。」
「後は森たちがどう動くかだ。」
「ああ、パシリとかで狙われそうな連中は早めに俺たちのグループに引き入れなきゃね。」
「うん、私も気をつけるから、河西くんもお願いね。」
「まぁ任せときなって。」

はは、省吾じゃないけど、秋山さんからお願いされたら断れないわな。
でも、高校ってこんなこと真面目に考える奴なんていないかと思っていたけど、なかなかどうして、また中三の時のクラスみたいにできるかもしれないぞ。
まずは徹と淳一に話して、後は…っと…。
ふ、たかが遠足が楽しくなってきたな。
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