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ぷろろーぐ-2 [権じいの村-1]

今年の秋もなんかゆっくりじゃな。
静かで平和じゃが…。
おや、あの若者はしばらく前に2人で来よった奴じゃな。
今日は5人連れか。

「うわ~慶次さん、近くで見ると一段と迫力がありますね、この大杉。
で、どんな感じにするんです?」
「うん、真一、まずはこの大杉の周りをきれいにしようか。」
「じゃあ落ち葉とかは全部どけますか?」
「そうだな…。」
「ちょっと待って、それはこの杉にとって、ここに落ち葉があった方が良いのかどうか調べてからにしない。
私たちの都合に合わせて、きれいにさせていただくつもりだけど、そのことがこの杉の負担になったら嫌だわ。」
「そうか、確かに真帆の言う通りだ。
久美ちゃん、メモ頼む。」
「はい。」
「杉の大木を守って行くことについての知識、樹木医もしくは大木に詳しい人も探した方がいいのかな。」
「はい、とにかくこの大杉を大切にしていこう、ということなのですね。」
「うん。」
「慶次さん、でも、どうして僕らの一番初めの作業がこの杉なんです?」
「はは、何もない村、と、大杉が見守ってくれている村、真一はどっちに親しみを覚える。」
「そりゃ…。」
「俺の構想の中では、別に大杉でなくても良かったんだけどね、なぁ真帆。」
「ええ、幾つかの村を回った中で、他にも素敵な木や人目を引く岩、滝にも出会ったわ。
そんな中で、私たちの挑戦を暖かく見守ってくれそうだったのが、この杉だったってことかな。」

おいおい、わしはそんなこと知らんぞ。
ふっ、まぁ悪い奴らではなさそうじゃから、ちょっと見ててやるか。





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