植物園で木管四重奏の演奏が行われていた頃、糞処理研究チームのメンバーが話し合いをしていた。

「動物生態調査チームからの一次報告を受けてちょっと調べてみたんだ、ほらイヌ科とかいたろ、だったら犬を飼ってる人にとって糞の始末はどうなのかと思ってさ、大変そうだろ。」
「ああ、確かに糞の始末は面倒だよ、散歩の途中だしね。」
「それなりのアイテムが売られていることは把握した、糞の処理とかのさ。」
「ペットショップで売ってたな、うちでは使ってないけど。」
「そんなのを動物園の動物に応用して改良を加えて、犬用のアイテムにフィードバックっていうか製品に反映させるってどうかな。」
「あっ、その考え良いかも。」
「で、思ったのが糞をくるむ素材なんだ、どうやら犬の糞は可燃物として処理されることが多いみたいだけど臭いの問題とか扱い易さとか。」
「使ってる人に聞いてみないと分からないな。」
「調査チームに頼んでみるか?」
「だな。」
「な、動物園で考えた時にさ、獣舎の床全面にシート貼っておいて、動物が別室に居る時に丸めて交換ってどうだ? 小部屋の動物に限るけど。」
「良いかも。」
「問題は歩き心地とかか?」
「動物達って糞をする場所決まってないのかな?」
「タヌキは決まってるらしいな。」
「ため糞だろ。」
「じゃあ、そこにシートを敷いておいて簡単お掃除って出来ないかな。」
「微妙な気もするが…。」
「逆に場所が決まってるなら今までも処理の手間は少な目だったかもな。」
「う~ん、犬猫って室内で飼うこと多くなって来てるから、トイレのしつけとか有るんだろ。」
「あっ、ここでしなさいってトレーニングか。」
「猫に出来ることならライオンにだってということか…。」
「実際どうなんだ?」
「そっちは動物生態調査チームに問い合わせてみるか。」
「だな、ついでにシート利用で簡単お掃除が可能な動物がいないかも。」
「なあ、糞の種類を動物生態調査チームから教えて貰ってるけどさ、丸くて転がりそうなのあるよな。」
「ああ、確かに。」
「獣舎に傾斜をつけて、糞をしたら転がって下に溜まる構造ってどうだ?」
「傾斜地での生活にストレスを感じない動物なら良いかもだけど。」
「それも問い合わせて見よう、転がり易そうな糞で傾斜地OKな動物ってことだな。」
「俺はシート材質に興味が有る、臭い物を効率良く包んで臭いが気にならないレベルに出来たら色々応用が効くと思わないか?」
「まずは今使われている商品の調査だな、そのまま動物園でも応用出来ればそれも良し、改良の余地が有れば面白いかもな。」
「だな、当面の作業をまとめて後で分担を決めようか。」
「ああ、じゃあ他の取り組み考えている人は?」
「やっぱり掃除ロボット作りたい。」
「だよな、できれば動物のいる所でロボットが動いていたらと思う。」
「うん、夢が有るよな、そんな風景を見た子ども達が将来工学部を目指してくれたらと思うよ。」
「問題は動物にとっての負担か?」
「大人しいけど神経は図太いってのじゃないと難しい気もするが…。」
「そんな動物存在するのか?」
「その辺りがチャレンジなんじゃないか、うまく行かなかったとしてもさ。」
「だな…、絶滅危惧種はスルーだけど…、自動管理で飼育される動物って…、家畜の飼育に応用される可能性ないか?」
「そうだな、すでに有りそうだけど…、あったとしても改良のヒントが見付けられるかもしれない。」
「う~ん、無駄に人型にしたい気も。」
「やっぱ効率重視から行きたいけど…、子どもに見せるということを考えると、お前の意見も無視できんな。」

「ちょっと整理しておこうか、糞処理としては獣舎の掃除の部分と集められた糞をどう処理するかの大きく二つに分けられる。
獣舎の掃除に関する事は他のチームとも相談しつつ、一つ一つ検討していく。
糞の処理に関してはゴミ処理チームとも連携して検討していく。
後は担当を決めてということで良いかな?」
「新たに加わってくれたメンバーも希望とかあったら気軽に話して欲しい。」
「そうだね、我々の次のステップへ向けて、今のリーダー、サブリーダーは早い段階で交代という方向性が有ることを新規メンバーにも理解しておいてもらわないとね。」
「どういうことなんです?」
「それは…。」


花ワールド-hirata
ぷちぎふと工房 コンサルジュ