そこへ祥子が足早にやってくる。
「ごめ~ん、待った~。」
「祥子さん、用事は全部済んだのですか?」
「うん、すみれ、とりあえずはね、さ、予約しておいた店に行って、まずは乾杯と行きましょうか、この近くなのよ。」

歩きながら。

「今日はずいぶん忙しかったみたいね、祥子さん。」
真子が尋ねる。
「そうね社長さんにも紹介されたし、ギャラのこととか、今後の出演予定のこととか、しばらく桜庭さんにまかせきりだったことも多かったから、そこらへんを色々教えていただいたという感じね。
桜庭さんは、まだまだ半人前マネージャーの私に、色々な経験をさせようようと考えてみえるみたい。」
「お疲れ様でした。」
「そうそう、今さっき耳にしたけど、今日の演奏もトークも、局のスタッフに評判良かったみたいよ。」
「そうなんですか、まぁ和音ですから、当たり前ですけどね。」
「あら、真子の踊りもちゃんと評価されてるわよ。」
「ふふ、テレビで良かったわ、ラジオ局だったら私の出番は全くないでしょ。」
「ラジオ局でも、トークは真子の担当よ、インタビューは今日の感じの方が、和音に話をさせるより面白いでしょ、踊りがないから物足らないかもしれないけど。」
「歌でも歌おうかな。」
「歌か、そう言えば、練習嫌いの真子さん、ボイストレーニングの方は続いているの?」
「それが、思ってたより楽しいんですよ。」
すみれが口をはさむ。
「祥子さん、真子の歌ってなかなかのものなんですよ、Jazzのスタンダードなんか歌わせたら下手なプロよりうまいぐらい。」
「真子、そんな話聞いてないわよ。」
「言ってなかったわね、歌は前から好きだったんだけど、ボイストレーニングを始めたら自分の声の響きがどんどん変わって行くのがわかって、練習というより研究ね、練習は嫌いだけど研究は大好きでのめり込んだら、先生からJazz歌ってみないかって。」
「全くもう、どうして才能ある人は何をやらせてもできちゃうのかしらね。」
「でもレベル的にはまだまだなんですよ。」
そこへ和音が。
「そんなことないと思うな、この前のFly me to the MoonだってOver The Rainbowだって良かったわ、うちのお父さん、いつボーカルデビューするのとか言ってたわよ。」
「はは、あれは伴奏が良かったからよ、祥子さん、この前、和音の家で歌わさせていただいたのですよ。」
「う~ん、ちょっと待って、今日の二件目の店を決めたから今から予約を入れておくわ。」
携帯で話し始める祥子。
しばらくして。
「まずは食事、その後はピアノのある店で真子に歌ってもらいましょう。」

ゲームで遊んで一攫千金!

東京のホテルを格安予約【ホテルクラブ】