ファミレス調査結果に関する洋子のレポートは、私の期待通り分かり易くまとめられていた。
その資料をファミレス店長に見せながら。

「その報告はうちの課長がまとめた物ですが、概ね私が感じていた通りです。」
「接客に問題ありなのですね。」
「はい、マニュアルでがんじがらめの接客をしない方針は悪くないと思っています。
この結果は接客にあたる店員の年齢層が高めなので仕方ないでしょう、高校生が相手の事ですから。
私としましては高校生対応の接客を考えて頂くよりも、平日夕方は岩崎高校生会議の実習バイト生を積極的に受け入れて頂ければと考えています。
うちの北山による従業員面接の結果からも、この時間帯の接客に高校生を起用する事には問題無いと考えています。」
「確かに、高校生なら同年代に接客して貰った方が楽しいかもしれません。」
「後、高校生向けメニューは高校生会議の実習の一環として考えて貰っています。
案がまとまり次第、山田料理長とも相談させて頂きます、平日午後三時からの限定メニュー、客単価は若干下がりますが、来客数をかなり増やせるキャンペーンを展開して行きますので期待して下さい。」
「はい、お願いします、マナー教室の企画も進めてはいますが、遥香さまの方では如何でしょうか。」
「プリンセス遥香で進めて行く『ワンランク上の私』という取り組みの一環にもなります、メニューや食器などの準備が整ったら、うちのスタッフを対象に何度か開いて問題点を探って行きます。
小規模で進めて行きますが、安定した売り上げを目指しています。」
「夏休み期間中に準備を大きく進めておきたいですね。」
「ええ、秋のリニューアルオープンに向け、この店を徐々に生まれ変わらせますのでよろしくお願いします。
細部につきましては北山と詰めて下さい。」
「分かりました。」

夏休み中に進めたい事は多い、それをこなす為には夏休み前の準備が重要。
すでに岩崎高校生会議でもプリンセス遥香関連チームをスタートさせている。
接客チームは基礎研修を始めていて期末試験終了後から交代で店舗実習に。
調理チームは高校生向けメニューを自分達が店で調理する事も視野に入れて検討中。
衣裳チームは制服デザインを考え、接客チームの店舗実習に間に合わせるべく製作スケジュールを練っている。
運営チームはファミレスの運営について、学習を開始。
そんな中、洋子は各チームに参加の上、それぞれの進捗状況を報告して貰っている。