「では、ここで省吾への質問やチーム赤澤のことは打ち切って、今後のF組について、球技大会のことは正規のホームルーム時間内に済ませたいので、協力お願いします。」

球技大会のことなんかも委員長が…。

「ねえ、委員長、みんなに話したいことがあるんだけど。」
「何? 黒川くん。」
「なあ、みんな、四月にさ、訳の分からないまま係りとか決めたけど、今まで秋山さんばかりに動いてもらってた気がしないか。」
「そうよね、美咲さまは通常の委員長の仕事だけでなく企画関係、学習関係でも動いていてくれたから。」
「でしょ、だから、係りの見直しをしてはどうかと思うんだ。
球技大会も…、そうだな球技大会の委員なんてのを決めてもいいんじゃないか。
今まで委員長がやってくれてた仕事もみんなで分担してさ。」
「おう、淳一に賛成、俺もF組のために働きたい。」
「私も。」
「ねえ、秋山さん、球技大会のことで今日やっておかなきゃいけないことは、それぞれの種目のチーム分け、その最終確認ぐらいなんでしょ?」
「ええ、だいたいはみんなの希望に副って割り振りが出来てるけど、バスケ希望者が多くて、ドッジボール希望者が足りてないの。」
「それぐらいの調整なら俺たちでも、な、徹。」
「おう。」
「そうだ、この後の打ち上げに参加しない人って誰?」
「そうか、抜ける人の希望を聞いておけばゆっくり相談できるな。」
「えっと、まずは球技大会、俺たちで仕切ってもいいか?」
「おお、黒川に任せる。」
「意義な~し。」
「黒川くんと林くんだけでは…、女子は?」
「私、やっても良いわ。」
「舘内さん、ありがとう。」
「私もやりたい。」
「うん、加藤さん、ありがとう、え~っと他に希望がなかったら、この四人で球技大会仕切っていいかな?
え~っと、一応賛成の人挙手をお願い。」

みんな手を挙げてくれた。
じゃあ…。

「決定だね、球技大会のことは委員長から俺たちが引き継ぐ、で、この後の打ち上げに参加しない人の希望とか先に聞いておきたいんだけど。」
「じゃあさ、打ち上げに参加しない人はこっちに来てくれない、淳一は係りの見直しについて、残る人たちと相談してくれよ。」
「おっけい。」

あれ? みんな動かないな。

「打ち上げには全員参加ってこと?」
「はは、林の出番はなかったな。」
「じゃあ、係りについて、委員長、俺が進めても良いの?」
「ふふ、黒川くん、どうぞお願いします、ね、省吾。」
「実は、F組内の役割分担ということも今日みんなに相談したかったことなんだ。
淳一や徹が積極的に動いてくれると助かる。」
「ならば、まずは今までのクラスの仕事の見直しだね…、大変そうな仕事としては…。」
「F組通信じゃない?」
「確かにそうだ、秋山さん、ずいぶん発行回数が多いと思ったんだけど、どうなの?」
「そうね、今の所は、私や省吾が書いた原稿を、麻里子が整理してくれて、それをしずかちゃんが仕上げ。
後の印刷とかは、星屋くんとちさとが手伝ってくれてるけど。」
「そうか…、でも印刷とかだったら秋山さんがいなくても済ませられないかな。」
「星屋、どう?」
「は、はい、じ、自分も、て、て、手順は…。」
「星屋! しっかりせんか!」
「は、はい、姉御、すいやせん。」
「ははは。」
「ふふ、私も慣れたからそんなに大変じゃないけど、そうだな、みんなもF組のための仕事に参加したら、もっとF組が好きになるかも。」
「し、清水さんの言う通りです。」
「あら、だめよ、和彦さんはちゃんと、ちさとお嬢さまって呼んでくれなきゃ。」
「ははは。」
「省吾さまからの参考資料の印刷とかも大変だったんじゃない?」
「そうね、そっちも手伝ってもらってたけど。」
「なあ、みんな、秋山さんじゃなくてもできることは、極力みんなで協力しあってやっていかないか?」
「賛成、俺も手伝うよ。」
「私も。」
「じゃあ、その取りまとめを誰かに頼めないかな、俺がやってもいいけど。」
「え、えっと。」
「おっ、星屋が手を挙げた。」
「そうだ、星屋、それでこそあたしの一の子分だ。」
「はは。」
「和彦さん、ちさともお手伝いしますからね。」
「えっと、印刷機の使い方とかは大丈夫だから…。」
「ほんと、星屋くんは先生方より手馴れたって感じだから、お願いね。」
「は、はい。」
「奥田さんや山影さんはどう? 大変じゃない?」
「全然、原稿がきちんとしてるから、私はたいしたことしてないの、静さんは?」
「私も大丈夫です、フォーマットが出来上がっていますし、麻里子さんからのデータもきちんとしてるから大した手間ではないんです。」

「そうすると、後の仕事は? 秋山さん。」
「後は、委員長としての仕事かな。」
「省吾さまの秘書的なことは?」
「そ、それは私がするから。」
「はは、絶対譲る気はないって感じだね。」
「ははは。」

「じゃあ、とにかくみんなで協力して、もっとF組を盛り上げようってことでいいのかな? 秋山さん。」
「ええ、みんなよろしくね。」

ちょっと気になってたことが解決かな。