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F組三国志 11-3 [F組三国志 11 黒川淳一]

「俺も参加したいけど、どんなことをしたらいいのか分からないな。」
「淳一、それを考えることも、チームの目的の一つなんだ。」
「えっ?」
「何かしらの研究テーマを見つけ、そのテーマを掘り下げる、ってことを、チームのメンバーで協力しあってやっていけたらと思っている。
それを、他の人の研究テーマに協力しながら、自分のテーマを探してもいいとも思うんだ。
梶田さんは、お父さんの会社を見つめることを始める。
それは、梶田さんの視点、もし淳一が協力してくれるとしたら、それに淳一の視点が加わる。
それを梶田さんにとってマイナスにすることなく、プラスにすることがチームの一つの目標。
みんなで考えて、良い方向へ持っていく。
そして、そのことが淳一にとって良い経験となることも大切なことなんだけどね。」
「俺で良ければ協力したいけど。」
「うん、ありがとう。」

「お父さま、ちさとはチーム赤澤のメンバーになれるでしょうか?」
「もちろんさ、演劇を通して演ずるというテーマを持ってるからね。
知ってる人も多いと思うけど、ちさとは俺の娘って役どころを演じてる時もある。
文化祭を意識してのことなんだけど…。
ただ…、その内、極悪非道の大悪魔なんてのを演じ始めるかもしれないから、みんな気をつけてね。」
「はは。」
「あら、お父さま、私はせいぜい小悪魔ですわ。」
「ははは。」

「チーム赤澤って、何人ぐらいいるんですか?」
「う~ん、とりあえず四十人は越したらしいけど、今増えたし…。」
「入会金とか会費とかは?」
「えっ? そんなこと考えてなかった。
別に金儲けが目当てじゃないからね。
う~ん、今の所は必要ないってことかな、将来的にはわからないけど。」
「チームに、登録? する方法はどうなの?」
「今のメインスタッフが面接して、問題なければアンケート用紙に記入してもらってって感じ、個人データはパソコンデータベースで管理している。
竹田さんって人が、絶対人数増えるから、初めからきちんと管理できる体制を整えるべきだって。
今、参加を表明してくれた人には後でアンケート用紙を配るからね。」
「チーム赤澤に参加するってことは、大学生たちとも交流できるってことですか?」
「もちろんっていうか、チームの目的の一つでもある。
俺たちをとりまく教育システムは、同学年との付き合いに限定される傾向が強すぎるって…、俺の叔父がよく言ってることなんだけどね。
学校では一日の大半を同じ学年の人と暮らしている。
けど社会に出たら、うんと年上の人から年下の人までのつきあいになる。
その環境の変化についていけない人も少なからずいるみたいなんだ。
まあ、視野も狭くなってるって、叔父は言ってた。」
「あっ、省吾さんは大学生たちとの交流もあるから広い視野を持ってるってことなんだ。」
「はは、親父たちはそんなことを目論んでいたみたい。」
「へ~、どんな感じで?」
「留学生をうちに呼んだりしてね…。
小さい頃、留学生の研究材料にされたこともあった。
カナダからの留学生だったんだけど、英語しか話さないんだ。
でも、よく遊んでくれて、帰国してからも手紙とかメールでやりとりしてるけど、この前久しぶりに日本に来てね。
そしたら日本語ペラペラでさ。
何でも俺は、幼児期における語学習得能力の研究材料だったらしくて、俺とはあえて英語のみにしていたそうなんだ。
まあ、おかげで英語は得意教科になったけどね。」

なんかうらやましいような…。
でも俺と省吾だったら、全然違う結果になったんだろうな…。
えっ? 得意教科? 省吾に不得意な科目ってあるのか?
得意でなくても俺たちに教えるレベルってことか。
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