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F組三国志 11-2 [F組三国志 11 黒川淳一]

今日は後、ホームルームで終わりなんだけど…。
あっ、秋山委員長のお出ましだ。

「皆さん、テストお疲れ様でした。
今日のホームルームはF組通信でもお知らせした通り、今までのF組の総括と、今後の活動について、それとテストの打ち上げ、となります。
ホームルームの時間内は全員参加となりますが、その後は自由参加です。
席の配置もチーム関係なく、今日は机なしの円形で二重か三重にしたいのですが、早く帰りたいという人は極力外側になっていただけると助かります。」
「おう、じゃあ、机動かそうぜ。」

「はは、みんなの顔が見えるのって、なんか新鮮だね。」
「でもさ、何となくチームが集まっていないか?」
「テストを共に戦ってきた仲間だからな。」

「では、ホームルームを始めます。
まずは、F組のみなさんの協力に感謝です。
他のクラスとは違った取り組み、企画に対して、反対する人もなく、みな協力的で助かりました。
特に省吾の実験的企画や大学生の調査への協力は、みなさんに余計なお時間を取らせてしまうこともありましたから。
本当に有難うございました。」
「うん、みんな有難うね。」
「省吾や美咲にお礼言われるようなことじゃない、逆に俺は二人に感謝してるぞ。」
「俺も!」
「私も!」
「美咲さま! 有難う。」
「お師匠さまに感謝!」
「四月の頃なんて、こんな楽しいクラスになるなんて思いもしなかった。」
「遠足楽しかった。」
「はは、テスト勉強、楽しかった。」
「みんな…、ありがとう…。」
「美咲さま、涙目だ…。」
「ねえ、省吾さまに質問していいかな。」
「なに?」
「大学生の人たちとお師匠さまの関係ってどういうことなの?」
「うん、今日、みんなに話そうと思ってたんだけどね…。
え~っと、自分ではちょっと話しにくいことなんだけど…、メインは俺の親父の教え子でね…。」
「省吾、俺が説明しようか?」
「哲平、助かる、頼むよ。」
「大学生の人たちは、チーム赤澤っていう、省吾をリーダーとして、はは、学生たちが勝手に結成したグループのメンバーなんだ。」
「え~、お師匠さまって、そういうレベルのお人なの?」
「ああ、チーム赤澤の人たちによれば、みなさん、省吾から色々教えていただいているそうだ。」
「え~、省吾さんは大学生のお師匠さまでもあるのね。」
「すっご~い!」
「やっぱただものじゃないぜ!」
「俺たちの調査をしたのは教育学部関係の人たち。
プロジェクトFという、省吾の実験的取り組みを検証して卒論とかに生かしていく企画を立ち上げたってとこ。
遠足の企画に興味を持った人が、数学小テスト団体戦の結果、つまりF組が学年ぶっちぎりトップという結果に驚いて結成を呼びかけたんだ。」
「そりゃ驚くよな、その結果を出したのが教師の力量じゃない訳だから。」
「ああ、で、二つ目のプロジェクトが立ち上がるんだけど…、梶田さん発表してもいいかな?」
「もちろん、でも、私から話させてもらえませんか?」
「おっけい。」
「私の父は会社を経営しています。」
「おお、梶田さん、社長令嬢だったんだ。」
「でも、会社は資金繰りが苦しくなっていまして、私は進学をあきらめていました。
そんなことで落ち込んでる私に、美咲さまや省吾さまが気付いて下さって、チーム赤澤の学生さんたちに声をかけて下さったのです。
その結果、チーム赤澤で、父の会社再生を目指す、プロジェクト梶田が立ち上がることとなって、父と共に私もチーム赤澤のメンバーに加えていただくこととなりました。」
「あ~、なんかうらやましい。」
「自分もチーム赤澤のメンバーになりたいです。」
「はは、星屋はお師匠さまの一番弟子は自分だって言ってたもんな、なあ省吾、チーム赤澤のメンバーになるのは難しいのか?」
「いや、学問に真面目に取り組む気持ちがあってチームの趣旨に賛同してくれれば、アンケートに答えてもらうだけで良い。」
「チームの趣旨?」
「えっと、今まで大人たちが作ってきた枠組みに囚われない心で、明日の日本を考えていこうって感じかな。
まあ、そんな話しをしてたら、かなり優秀な人たちも面白がってチームを作ろうってことになったんだ。
チーム赤澤って名称には抵抗があるんだけどさ、個人的に。」
「ロックだ! 私もチームに入りたい!」

何かすごいことを、さらって言ってないか、省吾…。
俺も参加したい。
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