「なあぽてち、ペンネームを考えたんだけどさ。」
「ペンネーム? おにい、って立派なのがあるじゃん。」
「まあ確かにそうなんだけど、おにいって呼ばれている人はこの世に数え切れないほどいるんだぞ。」
「どうしておにいにしたの?」
「それはだなぁ…、って話し始めると長くなるから置いといて…。」
「置いとく訳なんだね、でどんなペンネーム?」
「かめ屋吉兵衛か、かめ屋吉右衛門 。」
「かめ屋はかめを飼ってるから?」
「うん、ほんとに売るつもりだったんだけどね。」
「えっ、どれぐらい本気で?」
「これくらい。」
「って、3センチぐらいなの…。」
「まぁ石亀と草亀だけにしとけばほんとに売れる可能性があったけどね、勢いでミシシピーアカミミガメ、小さい頃はミドリガメと呼ばれてる奴に手を出したのがすべての間違いの元だったな。」
「ふ~ん。」

「ミドリガメは、まあ、外来種ということでね、自然界でも増えすぎてしまって…、売って1000円ぐらい稼ぐということは断念したよ。」
「で、吉兵衛とか吉右衛門 って?」
「なんか、めでたそうだろ?」
「えっ? そうかな? でも、おにいには立派すぎるんじゃない?」
「確かに…、ぽてちはどんなペンネームが良いと思う?」
「かめ屋へそまがり、なんてどう?」
「え~! まぁ間違ってはないけど、ちょっとかっこ悪いぞ。」
「おにいにぴた~りだと思うけどな~。」
「い、いや、そんなの…、ひねりもないし…。」