Lentoの休憩室にはパソコンも置いてある。
お花係りの顧問的立場になった真紀が有里にあるブログを見せながら…。


Roseさんの花瓶



「あらっ? 真紀さん、これって花瓶なのですか?」
「ふふ、有里ちゃんて意外と頭固いのね。」
「え~。」
「どう、紫陽花と花器とのバランス。」
「すごく良いです。」
「でも、ふと気づいたら花瓶じゃないような…。」
「ふふ、お花は花瓶に活けなきゃいけないって誰が決めたのかなぁ~。」
「あっ。」
「ふふ、私の兄さんなんてさ、コップや湯のみに活けるなんて当たり前なのよ。」
「はい?」
「この前は缶コーヒーの空き缶に雛菊を活けてたわね、どの缶が雛菊に合うかな~、なんていいながら。」
「はは、華道の家元を継ごうかというお方がですか?」
「うふ、そんな感性がなかったら家元なんて無理なのよ。」
「へ~。」
「そうだ、この部屋にワイングラスに浮かべた一輪のバラなんて、どうかしら?」
「あ、バラはよく頂くから…。」
う~ん、ちょっと待ってて。」
「はい。」

「さあ、どう?」
「いいですね~シンプルだけど薔薇そのものに華があるから、このテーブルにぴったしですね。」
「ふふ。」