収入が増え始めた頃から茂根は和音たちのスポンサーの企業の株を買い始めた。
和音の父、和夫とも親しくなってからは、相談して和音もスポンサーの企業の株主となった。
茂根は各社の状況を大学の講義の合間に分析し、その結果について和夫と酒を酌み交わしながら語り合うことも多くなって行った。
そんな中で和夫はジュピターは面白くなると予想していた。
中堅ながら安定感がある。
また中堅だから面白いと。
まだsupport companyの構想すら出てない頃のことだったが…。
すぐ祥子に連絡を取ってもらって直接会社見学に、和音や祥子も同行するといえば嫌という訳がない。

会社見学当日。
祥子は先に大山社長に挨拶してくると言い残して社長室へ。
茂根と和音を案内したのは総務部長の安藤だった。

その時の会話の一部。
「結構広いですね。」と茂根。
「ええ、現社長の方針で、何時でも事業規模を拡大できる様に周りの土地を買収してきて、ここの工場は創業時の倍近くになっています。
和音さんのCM効果で売り上げが伸びてますから新工場の構想もあります。」
「少し調べさせていただいたのですが、海外での生産という考えはないのですか?」
「うちは独自の技術力、質の高い商品というのが売りで、利益率の高い価格設定をしています。
社長の方針は安物粗悪品は絶対扱わない、なんです。」
「中堅ながら安定してますよね。」
「しっかり利益の出る独自の人気商品を幾つか持っていますから。
研究開発部門が、がんばってくれていて…、もちろんそれだけはありませんが。」
「安藤さんにとってこの会社の魅力って何ですか?」
「そりゃあもう社長の人柄ですね、判断力決断力があるだけでなく、社員の言葉をきちんと受け止めてくれるし、自分の息子達を他の企業に就職させたということも社員達からは好意的に受け止められています。」
「はは安藤さんにとって大山さんは偉大な人なんですね。」
「もちろんですよ、社長のおかげでこうして和音さんの近くに居られる訳ですし。」


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