「あっ、おかあさん、お花だよ。」
「ほんとね、ちーちゃん。」
「ちっちゃいね。」
「そうね、一つだけだったら見つけられなかったかも。」
「ふふ、ちーちゃんみたいなちっちゃなお花さん…、でも、おさんぽで見つけたの、はじめてだよ。」
「春になったのね。」
「春…、あっ、寒いと咲かないのか。」
「そうね。」
「お名前は?」
「う~ん、写真撮っておいて、帰ってから調べてみようか。」
「うん。」

カシャ


カシャ

カシャ


「お母さんが子どもの頃ね、自然観察の会があったの。」
「かんさつ?」
「河原でね。」
「かわら?」
「ほら、この前遊びに行った矢田川みたいなとこ。」
「うん。」
「今からお花を探しましょうって、でもね、緑の草しか見当たらないとこだったの。」
「ふふ、宝さがしみたいな?」
「それがね、探したら色んなお花を見つけたのよ。」
「緑の草ばっかしじゃなかったの?」
「そう、探してたらこの花よりも小さな花もね…、色々咲いてたわ。」
「そっか、ちっちゃなお花でも、お花だもんね。」
「そうだ、他にちっちゃなお花咲いてないか探してみようか。」
「うん、あっ、あった。」
「ちーちゃん早い!」


花ワールド-hirata
ぷちぎふと工房 コンサルジュ