「あっ、ありじごくだ。」
「えっ、これが?」
「ああ、この下でウスバカゲロウの幼虫とかが獲物を待ち構えているんだ。」
「へ~。」
「子どもの頃はさ。」
「うん。」
「蟻を落としてみたり、掘り返してみたり。」
「はは、確かに地獄絵図ね、蟻や幼虫にとっては。」
「まあ、今日はそっとしておくか。」
「ふふ、大人になったんだ~。」
「うん、辺りに蟻も見当たらないし。」
「えっ、いたら?」
「そりゃ、まあ落としてみるかな。」
「どうして?」
「観察ってレベルかな…、面白いし。
子どもたちには蟻を落としてみたり、掘り返してみたりする子になって欲しい。」
「え~。」
「ひどいことって思うかもしれないけど、自然の摂理を実体験できる機会でもあるんだ。」
「う~ん。」