夜、なんとなく目が覚めた。
明日は会議か、また部長から色々言われるのかな…。
何となくカーテンをあけ窓をあける。

あれ? 母親に抱かれた自分が…。
自分の古いアルバムで見慣れた写真の光景。
すぐに小学校の風景に変わる。
懐かしいな、あの木造校舎もうないんだよな。

でも俺はいったい何を見ているんだ?
窓がモニター? 映像のような、そうでないような…。
夢でも見てるのか。
俺、死ぬのかな?
死ぬ前に自分の人生が走馬灯のようにって…。
それにしても不思議な感覚だ。

もう中学生か。
あの頃は野球部でずいぶんがんばってたよな。
つらい練習もしたけど…、でも充実してた。

はは高校生活が一番楽しかったかも、色々やったな…。

と、いうことはもうすぐ大学、理佳と出会った頃だ。
楽しいことが沢山あったけど…。

卒業間近の俺の一言で…。
思いやりのかけらも無いことを言ってしまったからな。
何であんなことを言ってしまったのか、今考えると自分でも解らない。

おい目の前の俺、あんなこと言うなよ! 絶対言うなよ!
あの場面だけは見たくないけど、目をそらす訳にもいかないか…。
絶対言うな!

あれ?
まだ楽しそうにしてる、あの頃はもう別れた後の筈なのに。

と、いうことは俺の人生じゃないってことか?
微妙に違って…。

いや全然違う人生になっているみたいだ…。

あっ、窓の向こうの俺…、部長になってる!