SSブログ
Lento 2,夏 ブログトップ
- | 次の10件

長井祥子~和音のこと [Lento 2,夏]

和音の当面のスケジュールは組めたから、今度はプロフィールの確認ね。
そうだ、プロフィールは簡単なのとか詳しいのとか何種類か用意しておいた方が良いわね。
新米マネージャーだからといって手落ちがない様にしておかないと…。

え~と、1986年10月1日生まれか、もうすぐ21ね。
住所は名古屋市千種区、生まれてから一度も引っ越してないから小学校も中学校も地元の公立か。
高校は音楽科、高校も名古屋市立…。
大学は私と同じ…。

予選落ちしたコンクールは無視して良いわよね。
和音ちゃんの経歴って、この前のコンクール金賞がなかったら何にもないわね。
ぴんとこない人が多くても、Lentoのオーデション合格というのも入れておくしかないのかな。
そうだ矢野さんたちとのピアノ三重奏は経歴に入れても良いかもね、プロの演奏家と組んだ訳だから…。

幼い頃通った音楽教室とかは把握しておくだけで…、う~んプロフィールの内容は著名アーティストのを参考にさせてもうおうかな。

家族は両親と妹が一人に猫1匹。
お父様は地元有名企業で働いてみえるのね。
妹さんは少し障害があって養護学校高等部の1年生。
猫はこの前のコンクール金賞のお祝いアメリカン・ショートヘアね、あっ、名前聞いておくの忘れてたわ。
今度聞いておかなくてはね。
ふふ、自分も嬉しかったけど妹さんが大喜びしたのが嬉しかったって、あの子らしいわね。
写真も時々妹さんが写して、プレゼントして下さったお客様に送ってるって。
写真にはちゃんと和音を入れてるのかな?
お客さんにしてみれば、にゃんこより和音ちゃんでしょうからね。

妹さんの文化祭に行きたいというのはちょっと驚きだったわね、妹思いなんだなと思ったら、それだけじゃなかったから。
スケジュール的に問題はなかったから良かったんだけど…。
新米マネージャーとしては積極的について行くべきよね。
展覧会の絵、か…。


青山三郎と佐山初音 [Lento 2,夏]

9月15日は和音2回目の定期演奏会、今回はテレビ局の取材予定も入っている。
和音ファンクラブのメンバーが動いてくれたのだ。
ちなみにチケットはとっくに売り切れ、その後の問い合わせの数を考えると、もう少し大きいホールにするべきなんだろう。
10月にはCDの発売も控えている。

青山は和音がLentoで演奏を始めた頃からのファンであり演奏会のホールを借りる時に力を貸した人物。
今日はLentoマネージャーの佐山初音とロビーで…
「初音さん毎月の定期演奏会、今後の会場どうします?」
「そうですね、もっと大きいホールを押さえたくなっていますが。」
「予定しているホールをキャンセルして大きい所確保できないか探してみましょうか?」
「有難うございます、でも欲張りオーナーは今のホールはキャンセルする必要ないと言ってましたよ。」
「でもそれでは…。」
「何も月1回の定期演奏会にこだわる必要はなくて、定演以外にもどんどん演奏会を開いたら良いって。」
「とにかく経験をってことですか?」
「何なら客演で著名な演奏家を呼んでも良いし、オーケストラを呼んでも良いし、やってみて客が少なかったらそれもまた経験だろうって。」
「採算は?」
「それを言ったら、細かいことは気にするなって。」
「う~ん、確かに勢いのある今が勝負所なのかもな。」
「和音は本番で成長させる、留学とは全く違う経験をさせる、と言い切ってました。」
「なるほどなぁ~、白川オーナー、海外留学に対して、そんな形で挑戦しようとしてるんだ。」
「そう言えば和音のマネージャー長井祥子はいかがです?」
「ああ、いい子だね、私のマネージャーにしたいぐらいだよ。」
「でも、まだ未熟なんで色々な経験をさせたいと思っているのですよ。」
「はい、はい、心に留めておきますよ、でも今度の演奏会、和音ちゃんに花を贈ろうと思って、色々考えてたのに…。」
「祥子が何か?」
「たぶん和音の家が花屋さんになっちゃうから、とアドバイスされました。」
「確かにそうね、最近Lentoでは花を買う必要がなくなってきてまして…、和音のおすそ分けで…。」
「う~ん、私の和音に対する思いはどうやって表現すればいいんだろう?」


長井祥子と佐山初音 [Lento 2,夏]

Lentoの事務室、Lentoマネージャーの佐山初音と中村和音マネージャー長井祥子。

「初音さん、海外の有名所のコンクール、チェックしてみました。」
「どんな感じなの?」
「そうですね、幾つかに挑戦しても良いと思うのですけど、やはり目標とするところは絞り込みたいですね、日程の関係とかありますし、和音には遊びに行くぐらいの感覚で行って欲しいと思っています。」
「そうよね、数打ちゃ当たるの世界ではないし、和音は遊び気分の方が結果が出せると思うわ。」
「それで、ちょっと向こうに行ってこようと思うんです。」
「向こうって?」
「ドイツが中心になるんですけど、調度、和音の学校の関係もあって、比較的余裕ができそうな10月の2週目ぐらいに、和音のCD持ってオーストリアとかフランスも回ってこようと思うんです、休暇下さい。」
「目的は?」
「私、所謂帰国子女なんです、父の仕事の関係でドイツで生活していたことがあるんで、昔の友人に会ってこようと思うんです、メールのやりとりしてる人も、してない人にも会って来て…、ピアノ関係で知り合った人ばかりだから、音楽関係の仕事してる人多いんですよ。」
「そうね、根回しをしておくわけね。」
「はい、向こうの情報を今後流して欲しいと思ってますし、和音を連れて行った時、力になってくれそうな人を見極めておきたいですし。」
「なら、休暇じゃなく仕事としていってらっしゃい、まぁ向こうで休暇を取るのも良いわよ。」
「有難うございます。」
「人脈はとても大切だから…、10月なら出来立ての和音のCDも、沢山配ってきてね。」
「はい、それとコンクールを想定して宿泊先とかも見てこようと思ってるんです、あ、初音さん特に、ご希望とかありますか?」
「それって、私が、和音のコンクールを見に行くってこと?」
「もちろんですよ、会場に知り合いが多ければ多いほど、落ち着いて演奏できるって、和音が…。」
「たぶん、じゃんけんね。」
「え?」
「緑川支配人とのじゃんけんに勝ったら行けるかな~。」
「はは、そういうことですか。」


- | 次の10件 Lento 2,夏 ブログトップ