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ぽっぽのぴっぽ-11 [ぽっぽのぴっぽ]

ぴっぽはお部屋の戸を開けました。
「ただいま~。」
「おかえり、ぴっぽ。」
かあちゃんは、ぴっぽをぎゅっと抱きしめて。
「初めてのことばかりでびっくりしたでしょう。」
「うん、びっくりなことばかりだった、でもね、ちゃんとお仕事もしたんだよ。」
「ぴっぽはおりこうさんね。」
「えへへ。」
「すぐ、夕ごはんにするわね。」
「わ~い、あ、そうだ、かあちゃん、お弁当もおやつもとってもおいしかったよ、ありがとうね。」
「ぴっぽが喜んでくれてうれしいわ、下へ行く時は、また作ってあげるからね。」
「うわ~い!楽しみだな~、でも次は何時行くのかな?」
「ぱっぽじいちゃん次第だけど…、ぴっぽはこれからぽっぽ族の一人として色々なことを覚えていかなくてはいけないのよ。」
「と、いうことは今まで知らなかったことを、沢山教えてもらえるんだね、なんかどきどきするな~。」
「ふふ、ぴっぽなら大丈夫そうね。」
その時、戸が開きました。
「あっ、とうちゃんだ、とうちゃんお帰り、あのねあのね、今日ね、下でね…。」


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ぴっぽと-1 [ぽっぽのぴっぽ]

皆さんはぴっぽのこと知ってますか?
ぽっぽのぴっぽのお話を読んで下さった方はもちろんご存知ですよね。

まだの方は
ぽっぽのぴっぽ
で、まとめて読めるようにしましたが…、それなりに長いです…。

ここからは、その続きのような続きでないような…。

ぴっぽは初めて下へ下りた後、ぱっぽじいちゃんから、ずいぶん色々なことを教わりました。
下へは、もう何度も下りています。
でも、ぴっぽが覚えなくてはいけないことは、まだまだ沢山あります。
今日も下でトンボのメガネをかけて人間を見ています。
「ぴっぽ、この人間はどんな病気じゃ?」
「え~とね、グルグル病にダラダラ病、シクシク病、ひどいね、心の色なんて黒に近いよ、ぱっぽじいちゃん。」
「うむ、正解じゃな。」
「でも、悪い人間じゃなさそうだよ。」
「そうじゃな、雲の命も、後一回分ぐらいは残ってるじゃろう。」
「じゃあ呪文を唱えてあげるね。」
ぴっぽは雲の命の入ったビンを取り出しました。
「ぴっぽぱっぽぴん! 楽しい事出てこ~い!」
それから、ビンの上にあるボタンを押しました。
シュ~
ぴっぽが吹きかけた雲の命は霧になって人間にかかりました。
「笑顔になったようじゃな、うむ、ぴっぽどうした?」
「ねえ、あの生き物、な~に?」


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ぴっぽと-2 [ぽっぽのぴっぽ]

「あれは、かめ…かのう、ちょっと普通のかめではないみたいじゃが。」
その時です、ぴっぽの頭の中に声が聞こえてきました。
(こんにちは、君はだ~れ? どこから来たの?)
「あれえ~、このかめぼくに話しかけているのかなぁ~。」
(そうだよ、ぼくは、ぽてちだよ。)
「ぴっぽ、どうしたんじゃ?」
「この、かめさん、ぽてちなんだって。」
「うむ? わしには何も聞こえなかったんじゃがな。」
(ぼくの声は、そっちの人には届かないみたいなんだよ。)
「ぱっぽじいちゃんには声が届かないんだって。」
「それにしても、わしらが見えてるということかのう、不思議なかめじゃな。」
「ぱっぽじいちゃんどうしよう。」
「悪いかめじゃなさそうだったら、ご挨拶をせんとな。」
ぴっぽは、ぽてちと話し始めました。
「こんにちは、ぼくは、ぽっぽ族のぴっぽです。」
(へ~、ぽっぽ族なのか、会うの初めてだよ。)
「ぼくたちの姿はここの生き物には見えないし、声も聞こえない筈なんだけどね。」
(そうなんだ、まぁ、ぼくはちょっと特別だからな、ねえ、今何してたの?)
ぴっぽは呪文のことや雲の命のことを教えてあげました。
(そうなんだ、ぴっぽ、このこと、この人間にも教えていいかな?)
「ぱっぽじいちゃん、ぽっぽ族のこと、この人間に教えてもいいかなって、ぽてちが訊いてるんだけどどうしよう?」
「う~っむ、まあ話したところで問題はないじゃろう、見えも聞こえもしないからのう、ついでに人間がどんな反応するか見てみよう。」
「ぽてち、話してもいいよ。」
(ありがとう、きっと喜ぶと思うよ。)


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ぴっぽと-3 [ぽっぽのぴっぽ]

ぽてちが人間に話しかけようとした時、人間がぽてちに話しかけました。
「なあぽてち、さっきふと閃いてさ、ちょっと不思議な感じなんだけどね。」
(閃き? 不思議な感じってどうしたんだい、おにい?)
どうやら、この人間は、おにいと呼ばれているみたいですね。
「俺ってさ気分が沈んでいること多いだろ。」
(うん。)
「さっきも何か嫌なことばかり思い出していたんだけどね、突然、ふっと思いついたことがあってな。」
(何を思いついたの?)
「お話を書こうと思うんだ、思いっきりリッチな感じの、題はLento、架空のお店の話しなんだ。」
(どんなお話なの?)
「まあ、それは書いてからのお楽しみ、でも色々考えてたら楽しくなってね、いい気分転換になりそうなんだよ、前にも、おばかなお話しを書いてたことがあったんだけど、お話を書く楽しさをすっかり忘れてた。」
(不思議な感じって?)
「あまりにも突然閃いたからさ。」
(なるほどね~、これが、ぴっぽの呪文と雲の命の力なんだ。)
「な、何? それ?」
ぽてちは、ぴっぽに教えてもらったことを、おにいに教えてあげました。
「へ、へ~、じゃあ、ぽっぽ族のぴっぽが雲風船に乗ってここにいるのかい?」
(うん。)
「ど、どこ~、お礼言わなきゃ。」
(今ね、おにいの右肩の近くに浮かんでるよ。)
「あ、有難う、ぴっぽ。」
(おにいそっちは左肩だよ。)
「あっ、そうだった、有難う、ぴっぽ。」
(はは、おにいったらそそっかしいんだから、ぴっぽも笑ってるよ。)
「いや、これは受けを狙ってだなぁ~。」
(ねらわなくていいよ。)
「あ~、ちゃんと姿を見て直接お話ししたいなぁ~。」
(それは無理みたいだね、ぴっぽと話しするから、おにいは、お話し? Lentoのことでも考えていたら。)
「うん…、分かった…。」


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ぴっぽと-4 [ぽっぽのぴっぽ]

ぽてちは、ぴっぽに声をかけます。
(ぴっぽってすごいんだね、呪文と雲の命で人を幸せな気分にさせちゃうなんて。)
「えへへ、ありがとう、でも、まだ沢山のことを覚えなくちゃいけないんだけどね。」
(大変なんだね。)
「ぜんぜん大変じゃない、色々なことを覚えるって楽しいことだよ。」
(そうなんだ。)
「ねえ、ぽてち、ぼくに人間のこと色々教えてくれない?」
(もちろん、おっけいさ、ぼくはぽっぽ族のことを知りたいな。)
「うん、教えてあげる。」
ぴっぽとぽてちは色々なお話をしました。

あっという間に時間が過ぎて、ぴっぽは帰る時間になってしまいました。
「ぴっぽ、そろそろ帰る時間じゃな。」
「うん、ぱっぽじいちゃんわかった、ぽてち、ぼくたち、そろそろ帰らなくちゃいけないんだよ。」
(そっか、また会えるかな?)
「たぶん会えるよ。」
(あっ、そうだ、ぴっぽ、帰って行く時もぼくのこと考えててくれるかな。)
「良いけど、どうして?」
(ぼくは声に出して話している訳じゃないんだ、かめの口は、お喋りには向いてないからね。)
「確かにそうだね、心でお話ししてる感じだよ。」
(もしかすると、離れていてもお話しできるかもしれないんだ。)
「わぉ、そりゃすごいや。」
(だめかもしれないけど試してみる価値はあると思うんだ。)
「よし、わかった、じゃあとりあえず、さよならだね。」
(うん、まったね~。)
ぴっぽたちはふわふわ~っと空へ帰って行きました。

(ぴっぽ~、ぼくの声聞こえるかい?)
「聞こえてるよ~、ぽてちもぼくの声聞こえてる?」
(うん、聞こえてる、ゆっくり移動してるから、何となくぴっぽの位置がわかるんだ。)
「ぽてちってすごいんだね。」
(いや~それ程でも、照れるじゃないか。)
「ふふ、ねえぽてち、ぼくたち、おともだちだよね。」
(もちろんさ、仲良くしてね。)
「うん。」
その後、ぽてちとぴっぽは、時々お話しする様になりました。
離れていても話せるなんて便利ですね。


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