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F組三国志 17-3 [F組三国志 17 秋山美咲]

昨夜、よく眠れなかったから今朝は少し眠い、それでも何時もの様に省吾と地下鉄の駅で待ち合わせ。

「美咲、寝不足?」
「うん、省吾はすぐ気付くから、隠し事は無理ね。」
「何か有ったの?」
「母さんからアドバイスされてね、でも電車の中ででは無く二人きりで話したい事なの。」
「分かった、じゃあ今日は美咲の部屋にしよう。
妹達も冬休み気分になり始めていて大人しく出来なさそうだからね。」
「真奈美ちゃん達、期末テストはどうだったの?」
「二人とも何時も通りさ、ゲームで高得点を目指す感覚だけど、如何に効率良く高得点を叩き出すかを考えているからね。
で、真奈美は英語で古文について語るとどうなるのか、美咲と試してみたいのだとか。」
「英語で古文についてとは、試されるのかなぁ~、私。」
「まあ、それは単なる口実で美咲に遊んで貰いたいだけだよ、綺麗なお姉さんが出来たのにちっとも遊んで貰えないと漏らしていたから。」
「彼女の部活やチーム赤澤の関係でなかなか時間が取れなかったものね。
ねえ、真奈美ちゃん、日本では兄以上の男性に出会える確率が低いからアメリカ留学を目指しているのでしょ?」
「えっ、そんな事言ってた?」
「ふふ、兄を宜しくとも、随分前、夏休みの頃よ。」
「日本にだって…、う~ん、真奈美に紹介したくなる様な奴らには全員彼女がいるかもな…。」
「妹の恋愛事情とか気になる?」
「そりゃあ兄として…、美咲が家に来る様になってから、また甘えるようになった気がしててね。」
「私には素敵な兄がいないから…、でも、私が省吾の妹だったら、兄の彼女に敵意を抱くかも。」
「それは物騒だね、まあチーム赤澤のことは中学でも知られていて、俺の彼女が知的な美人で鼻が高いと話してたから嬉しくは有るみたい、冬休みこそは沢山おしゃべりしたいとか。
適当に付き合ってやってくれな。」
「ふふ、私だって省吾の話を色々教えて貰って、妹と仲良くなりたいわ。
そうね、うちにお泊りに来て貰ったり、真奈美ちゃんの部屋に泊めて貰ったりってどう?」
「うん、頼むよ。」

ほんとは、省吾に泊まって行って欲しいし、省吾の部屋で一緒に…、一緒に暮らすってどんな感じなのだろう。
今日はそんな事ばかり考えてたから、つい静に…。

「ねえ、静は哲平と一緒に暮らすとか考えたこと有る?」
「ええ、哲平さんが心変わりしなければ。」
「う~ん、モテる男を彼氏にすると落ち着かない時が有るのよね…。」
「えっ、美咲さんは自信満々で、省吾さんを絶対誰にも渡さないと思っていました。」
「うっ、まあそうだけど…、哲平をうちの人に紹介してからどうなの?」
「それがですね、ほんとに嫌だった母の違う一面を知りまして。」
「厳しいお母さんなのよね。」
「哲平は次男だから、うちの婿にと、何か夢中になってしまって、この前もラグビーの練習試合に来ていましたでしょ。」
「そっか、あれは娘の付き添いとかでは無く、純粋に哲平の応援だったのね。」
「チーム赤澤の取り組みも有り、父もすっかりその気になって、会社経営にホントに必要なのは学歴ではなく、ラグビーとかスポーツを通して身に付く根性や仲間を大切にする心だとか、彼に話していまして、哲平さんが来て下さると家が明るくなるのです。」
「そこまで進んでるのか…、哲平は?」
「大学の学部を父と相談しています、私がこんなに幸せになれたのは省吾さんと美咲さんのお蔭です。
今は絵を描いていても、何も言われませんから。
期末テストでは、他のクラスに情報を流し刺激を与えて学年全体のレベルアップを。
省吾さんの指導の元に実行した事で、私は学年順位を下げましたが、両親はもう私の成績何て気にもしてないのです。
チーム赤澤の一員となり、私達高校生が入試に過大な力を注がねばならないシステムを考え直しているぐらいです。」
「そっか、だから哲平さえ心変わりしなければなのね。
ね、ねえ…、哲平とはどこまで行ったの?」
「どこまでって…、気になりますか?」
「なるのよ~、省吾は紳士でしょ、抱きしめてくれるけど…、私に気を使ってくれるから…、自分からは言えないでしょ。」
「そうですか、私は哲平さんにおねだりしました。
親は学生結婚して欲しいぐらいで、高校生で妊娠というのは世間体が悪いからと、あれは母が買ってくれましてね。」
「世間体か…、それより経済力が無いのに出産して貧困生活とか、中絶とかが、世間体以前に問題よね。」
「ですね、うちは経済的に問題は有りませんが、まだ、哲平さんのご両親とは婿養子の話を進めていませんので。」
「御両親はそのつもりなのね。」
「はい、哲平さんと別れる様なことが有ったら絶対後悔するからと、父からは何でも相談する様に言われて、哲平さんを紹介した後、中二ぐらいから殆ど会話の無かった父と話すようになりました。
哲平さんを息子にしたいようで。」
「ふふ、別れるなんて事になったら、お父さまの方が残念がりそうね。」
「ええ、美咲さんのところは如何ですか?」
「同じだわ、親って娘の…、もっと反対したり止めるものだと思ってたのだけど。」
「省吾さんに娘を嫁がせる事以上に、娘が幸せになる事はないでしょう。」
「そうよね、相手がどこの馬の骨か分からない様な男ではないのだから。」

静と話して安心はしたが、省吾ともっと近づくことを考えたらドキドキする。
静みたいにおねだりして…。
あ~、こんな気持ち…、期末テスト前だったらやばかっただろうな。
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