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それから-05 [シトワイヤン-35]

平和になっても災害は無くならない。
地球防衛軍が災害対策を行ってはいるが、被害を無くす事は不可能だ。
ただ、災害が発生した所では、災害前より安全で暮らし易い環境整備を災害復興の目標とし取り組んでいる。
災害によって過疎化が進むのではなく、災害に強い町にし移住者を受け入れ活性化を図る。
被災地の中には思い切った土地区画整理事業を進め、海外からの移住者も受け入れ人口を増やし続けている地域も。
過疎化の問題は土地所有者が原因になっている場合も有る、土地を持っていても放置している人、農業に興味が有っても土地を持っていない人がいる訳で。
そこを被災を切っ掛けに土地の有効利用を働き掛け、仲介、斡旋し援助、耕作放棄地を蘇らせている。
これらは大銀河帝国の資金を集中投資する事で可能に。
漠然と投資するより、被災地への集中投資は効果的、不幸を乗り越え新しい町が幾つも出来つつ有る。
今は姫さまの祝福を感じた事のある人ばかりなので、区画整理が進め易くなった。
その過程では危険な崖を災害で崩れる前に崩してしまうことも。
利用出来る土地が狭くなっても安全を優先と考えての事。
そんな東北地方のエリアをファルコン号から視察。

「まだまだ工事中なのですね。」
「はい、河川の改修など、大規模工事はどうしても工期が長くなります。
外国人労働者の研修も並行して行っていますので、その分工期に余裕を持たせていることも有りますが。」
「かつて、外国人労働者の労働環境が問題になりましたが、改善されているのでしょうか?」
「外国人と言っても大銀河帝国の国民ですからね。
子ども達の教育を含め、日本を好きになって貰える様な環境を整えています。
自分達が復興に関わっている土地に愛着を感じ、環境を気に入った定住希望の人にはその支援もしています。
強制はしていませんが、希望者には日本語教育も。
過疎化が進んでいたエリアですので、被災前より活気が出ているそうです。
国際都市ならぬ、国際農村を目指すとか。
以前は生活習慣の違いが問題になりましたが、国別の居住地ではその国の習慣で生活して貰っています。
長期滞在や定住希望者には、その子ども達が日本で無理なく暮らして行ける様に、日本人の考え方や生活習慣を教え、多国籍居住地へ移動したり日本人と同じエリアで暮らす取り組みもしています。」
「経済面は如何です?」
「経験と実力によって日本人と同等の賃金を支払ってます。
買い物は復興に合わせて帝国主導でオープンさせた商店を使ってくれていますので、そこで有る程度回収しています。
本国に送金している人も多いですが、それも世界的経済格差是正に向けた取り組みに貢献している訳で、まあ、大銀河帝国内でお金が回っているという事です。
日本人と違って貯蓄に熱心ではないので、お金が勢い良く回っていますよ。」
「宵越しの金は持たないみたいな?」
「そこまででは有りませんが、内需拡大に貢献してくれてると思います。
以前の様な、単なる低賃金労働者としての扱いでは有りませんので。」
「あの頃はニュースに触れると、日本人としてとても恥ずかしい気持ちになりました。
外国から来て頂いて研修という名目で安くこき使う日本人。
ろくな技術も身に付かないないまま働かされていた技能実習生の方には、申し訳ない気持ちに。」
「でしたね、でも今は同じ地球市民として尊重されています。
研修をしっかり行い、二年で帰国する予定の人が帰国後、母国でその技術を生かせる様にバックアップをしています。
ひどい事をしていた頃でも、日本にはそれぐらいの事を出来る力は有った筈なのですが。
今は市民政党若葉が政権を維持していますので、政府も協力的です。
姫さまのお蔭で、日本人として恥ずかしくない日本、胸を張れる日本になりました。」
「でも、国籍は大銀河帝国にしたのですね。」
「はは、まあ思い通りの結婚をしたかったですし、心は日本人の大銀河帝国人ですよ。」
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