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大銀河帝国-05 [シトワイヤン-32]

姫さまが治安の悪い地域へ足を踏み入れる。
万が一の事が有ったら大変だが、舞姫さまの力がそのエリア一体へ及べば、出口の見えない紛争に何らかの良い変化が生じるかも知れない。
賛否様々な意見が出たが、姫さまの意向でも有り、議論はその方法論になった。
結果、姫さまはターゲットにするエリアの隣国に王子の仕切る王国から入り、内戦中の国との国境を目指す事に。
王子が中心となり、隣国及び内戦中の指導者達と交渉を進めつつ姫さまを迎え入れる準備を整えて行った。
のんびりしていると酷暑の季節になってしまうと作業は急がれ、隣国がほぼ了解という段階で、姫さまともう一度王国へ飛んだ。

「今回は国境近くの町という事で設備が整っていないと聞いていましたが、なかなか立派な屋敷ですね、上空から見た所では荒れた感じの土地が広がっていましたが。」
「姫さま、急遽整備したそうです、この居住エリアの整備と共に、巡礼者の為に仮設トイレや仮設店舗も建てられまして。
ここは舞姫さま特別警護隊の本部としても機能します。」
「警護隊は、あえて多国籍なのですよね。」
「ええ、当初、王子は自国の軍だけで充分、指揮系統を考えたら無駄も無く安全だと主張したのですが、今後、地球防衛軍として災害時、多国籍で展開する事を念頭に妥協して下さいました、コミュニケーションの方法を色々試す事になると思います。」
「非常時に意思疎通が出来ないと大きな問題になりますね、時間を作って警護隊の方ともお話したいです。」
「分かりました、その様に手配しておきます。」
「ここから先は陸路ですね。」
「はい、すでに先行部隊が整備し警備上の問題がないか確認しています、国境から先も隣国との交渉がまとまりましたので、向こうの軍隊と共に準備を進めているそうです。」
「どんな車で行くのですか?」
「防弾対策の施されたリムジンバスになります、軍隊の車両が前後を固め上空からヘリが交代で監視します。
マスコミ関係の車両も含めるとちょっとしたパレードになります。
国境を越えてからの宿泊施設として、内外装を女王さまに相応しい仕様にしたトレーラーハウスが用意されていまして、それも車列に加わります。
状況に応じて、リムジンバスかトレーラーハウスを先行させ、そこまではヘリで移動という事も検討されています。
米軍がこの辺りの監視を強化していますが、今の所、特に目立った動きはないそうです。」
「やはり緊張感が違いますか?」
「はい、目指している国との国境付近では最近死者が出ています。
自分は、姫さまをお守りすることしか考えていません。」
「そういった事をマスコミは世界へ発信してくれているのでしょうか?」
「勿論です、世界中にいる大銀河帝国の臣民達は、姫さまの無事を祈っています。
また、争っている連中が妥協点を見い出せたら、どんな支援が最も有効なのか、国を越えての話し合いも行われています。」
「何とか結果を出したいですね。」
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