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舞姫さま-06 [シトワイヤン-31]

舞姫さまのDVD、Blu-rayは高頻度で制作、発売されている。
万里が舞を公の場で舞うのは月に一度か二度ぐらいだが、その全てを録画し編集、映像作品として毎月の様に発売しているだけでなく、鳥と戯れ野鳥を紹介する映像作品や、歌を中心とした語学教材としても利用されてる作品などは万里の負担が少なく、簡単に完成してしまう。
今回、トイプードル達と戯れる姿をメインにしたものは世界同時発売となったが、今まで日本だけで発売されていたものも、世界中のファンが通販で購入していることも有り、海外向けの販売を進めている。
ファンの心理としては、舞姫さま、その全ての作品を手に入れ、更にグッズもとなるのは自然な流れなのだが、聖地巡礼の費用も合わせるとかなりな額になる。
それでも真面目に働き、舞姫さま関連に支出することをいとわない人が世界中に多くいて…。
早い話、万里のパフォーマンス活動だけで莫大なお金が動いている訳だ。

「お姉ちゃん、私の資産総額ってさ。」
「うん、増えてたね。」
「自分が富豪の仲間入りをしてみて思うのは、こんな金額、個人資産として必要ないでしょってことなのだけど、そうは思わない?
「そうね、小さな国の国家予算を超えたのかな。
でも、大きな資産を活かせない人とは違って、万里は最大限に活かす方向で指示を出してるでしょ。
キラキラした石っころやバッグ、車とか必要性を感じない物に大金を使うことなく、安定雇用の場を増やす方向で活用してるのだから、万里が大金を動かしてる意味は大きいと思うのよ。
その辺りは、アメリカのセレブにも影響を与えてるそうで、キャッシーに相談しに来る有名人も増えて来てるそうよ。
スポーツや芸能の分野で成功しても経済面の事は人任せにしていた人がね、自身の財産を社会の為に、もっと有効に活かして行きたいとか。」
「結局、個人の能力には差が有るし、株などをまとめて所有するのも意味有ることなのだから貧富の差は当然の事、ただ、そこで富める者が無意味な蓄財に走るか、社会経済にとってプラスとなり弱者を救済して行く様なお金の使い方をして行くのかで、社会環境は大きく変わって行くのよね。」
「そう、貧富の差というけれど、相対的に貧しい人達がもう少しマシな生活、健康で文化的な生活を送れるレベルであれば問題無いと思うわ。
財閥を敵視し、解体を試みてる国も有るみたいだけど、経済活動を安定させるには大企業も必要、ただその経営方針に問題が有り過ぎて貧困層を増やして来たのが日本でしょ。
そこを反省して、これからどうして行くべきなのかを、株式会社舞姫が先頭に立って示して行く、万里の個人資産はもっと増やして行くけど、まあ、個人名義というだけで実質的には社会貢献の為の資産、だから本間塾のメンバーもその有効活用に協力してくれているのよ。」
「そうね、世の名の大金持ち達がみんなそういう結論に達していてくれたら、地球市民党ももっと活発に動けるのにな。」
「和馬さん達は密かに国を乗っ取り、国民がユートピアと思える様な王国を建国するとか企んで、と話していたでしょ、万里を女王様として。」
「う~ん、少し調べてみたけど、貧乏な小国に甘い言葉をささやけば出来なくもないのよね、国際的な信用度がどうなるかは微妙だけど。」
「それがね、市民の政党と王国ってミスマッチ、少し形を変えてスタートさせるそうなの、明日、姫さまにご挨拶と話してたのだけど、自信有り気な顔をしてたわよ。」
「ふ~ん、バーチャル政党で成功したから、バーチャル王国でも始めるのではないかしら。」
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