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舞姫さま-02 [シトワイヤン-31]

明日は新たに建てられた舞姫さまの社へ、ヘリで訪問の予定。

「お姉ちゃん、ヘリは便利だけど騒音で人に迷惑掛けていそうで微妙だわ。」
「気にしなくて良いのよ、舞姫さまの社、そのヘリコプターバージョンとして、大型ヘリの通過を待ち望んでいる人が多いのだから。
飛行予定は公開してるし、万里が乗ってれば近づいて来るのを皆さんが感じて、外に出て出迎えてるそうよ。
でも、気になるのなら、万里が一人で飛んでく?」
「それは無理、宙に浮くぐらいしか出来ないから、鳥たちに引っ張って貰えば少しは移動出来るけど、遠くまではね。」
「ドローンではどう?」
「う~ん、大きな力は必要ないから使えるのかな、遠くまでは無理だろうけど…、タケコプターみたいに使えるのかも、お姉ちゃん、お小遣いで買おうか。」
「そうね、調べて貰うわ。」
「あれって自分で操縦出来るのよね。」
「うん、私も操縦してみたい、万里を好きな様に引っ張ってアクロバット飛行とか楽しそうだわ。」
「それは却下、お姉ちゃんに操縦させたら、絶対目が回りそうだもの。
お姉ちゃんはハンググライダーとかやってみたらどう?
馬をあっという間に乗りこなして、皆さんを驚かせたのだから楽勝じゃない?」
「ハンググライダーか…、何事も挑戦よね、やってみようかしら。
そうそう、未だに宙に浮く万里を手品の類だと思っている人がいるみたいだから、空でのパフォーマンスを企画してみない?」
「良いわよ、苗川でなら鳥達にも参加して貰って…、小鳥タイムと猛禽類タイムをしっかり分けての二部制かな。」
「一緒は無理なのね。」
「小鳥たちだって、鳥肉定食にはなりたくないでしょ。」
「でも、上手く分けられるの?」
「鷹や隼は結構聞き分けが良いのよ、友達感覚かな、鷹匠の先生に教えて頂いてから一段とね。」
「小鳥たちは?」
「操り易いと言うか感覚的には僕なの、トイプードル愚連隊よりも忠実なね。
まあ、難しい芸は出来ないから演出での勝負になるのだけど、清香村の人達には好評なのよ。」
「その映像は?」
「カメラマンと相談しながら随分撮ってるのだけど、カメラマンがなかなか満足しなくてね、生で見ている感覚を映像で再現するのが難しいとかで、今も作戦を練ってる最中。
野鳥を身近に感じて貰うことで自然を守ろうという気持ちになる、そんな作品を目指しているのよ。」
「そっか、単に撮影するだけではないのね、完成が楽しみだわ。」
「カメラマンは作品が売れたら山を買って里山として整備して公園にしたいとか、炭焼きを体験したり和紙作りに挑戦とか出来る様なのをね、利益は出にくそうだけど、お姉ちゃんも相談に乗ってあげてね。」
「作品が売れなくても山の一つや二つ、使い道が有るのならすぐにでも買うわよ。
それだけで、舞姫さまが日本の森を守りたがっているというメッセージになるでしょ。
そうね、舞姫さまの森、再生プロジェクトとかを組めばボランティアがすぐ集まって里山としての整備を進めてくれるでしょう。
万里がたまに訪問して映像作品の舞台に、山の麓に舞姫さまの社と門前町や宿泊施設を建設すれば…、ねえ万里、今有る社の近くの山を買って、舞姫さまの社とセットにしてはどう?」
「そっか、社はほとんどが田舎だものね、社と共に森の整備をすることでそのエリアの魅力が増すのなら、社が自然保護のシンボルともなるのね。
予算はどう?」
「う~ん、少なくとも五ヶ所ぐらいは何とかなると思う。
社を訪れる人達がハイキングやキャンプを楽しめたら、売り上げアップに繋がるから、これから建てて行く社は初めから、舞姫さまの森を意識して貰いましょう。
考えてみたら神社と森はセットみたいなものでしょ、舞姫さまの社は、その森の規模が大きくなるということで納得して貰います。」
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