SSブログ

改革-15 [シトワイヤン-30]

子孫に負の遺産を残さない。
その為にどうして行くのが、何が正しい選択なのか考えている、社会は単純ではない。
原子力発電所からの分かり易い負の遺産だけでなく、日常生活の中でも子に何を残し伝えて行くのかという視点を地球市民党では訴えている。
住み易い環境とは物理的環境もさることながら、精神的なものも大きい。
最先端の設備を整えた住宅に住んでいても、周辺住民との諍いが有っては幸せだとは思えない。
逆もまた然りだが、勿論、健康で文化的な生活は、文化的な生活を知っている人なら誰しもが望む所だろう。

同じ地球上で暮らしているとは言え、その環境は千差万別な訳で価値観も大きく違う。
舞姫さまの祝福を感じた人とそうでない人の差も大きい。
それでも、舞姫フレンズ達は、子孫の為に、という大きな方向性で緩やかにまとまり始めている、というのが、私達のMAIHIME TOWN滞在中、各地からの情報をもとにしてスタッフ達が出した結論。

「子孫の為に、というのが舞姫教の教義になりそうね。」
「愛華さん、舞姫教はよして下さいよ、怪しげな新興宗教みたいじゃないですか。
少なくとも万里の前では使わないで下さい。」
「そうね、もう少しひねりを加えた教団名を考えましょうか、でも舞姫フレンズが大きな影響力を持ち始めているのは間違いないでしょ。」
「ええ、日本への帰国を前に巡礼者の数が増えてるそうです。
その巡礼者達は、人間が精神的に進化することを、平和な世界を子孫の為に残すことと共に考えているのだと、昨日のテレビ番組で伝えていました。
いよいよ、地球市民党が目指して来た社会に向けて一歩前進という事では有りませんか。」
「そうね、私達が思い描いて来たバランスの取れた社会に向けて、まだまだ難問は山積みとは言え進み始めるのかもね。」
「日本に帰ったらすべきことが多そうです、まあ、実際に動くのはスタッフなのですが。
そうそう、今朝気付いたら、温暖化の影響で水没しそうな島国に半水中都市を建設するという案件が増えていましたね、海での発電実験と共に。」
「ええ、将来的には国ごと買い取って、王国を建設とか楽しそうじゃない?」
「王国ですか、勿論絶対王政ですよね。
絶対的な君主の下、国民の意識を高めバランスの取れた社会を築けるかどうか、公用語には日本語とメロディー言語をさり気なく入れて、型に嵌めない実験的教育を実践して行くとか。」
「そうね、まあ、日本の法律下では面倒な、実験的取り組みを試せるとは思うのよ。
国民の皆さんに失礼のない程度にね。
でも、この話は当分の間、内緒よ。」
「その内緒って、内緒の話だけどって言いながら人に話して良いという類ですよね。」
「だから、内緒だってば。
それより、子孫に負の遺産を残さない、という話から苗川大改造が再度クローズアップされてるでしょ、そっちは世界に向けてもっと情報発信して良いんじゃない。」
「そうですね、まだ英訳されてない内容が相当有ります。
う~ん、一度整理して書籍化しましょうか、王国を建設する費用の足しになると思います。
王国の国家予算はどれぐらいの規模にするのですか?」
「そうね…、あっ、独立国にして、姫さま関連の企業を集約し国営企業にしたら、沈みかけてる島国を豊かな国に出来るのではないかしら。
世界中の舞姫フレンズから集めたお金をどんどん使って、エリア全体の経済力高めて行けたら楽しいでしょ。」
「面白い話ですが…、温暖化が進行して完全な水中都市になってしまったら、領海は主張できるのでしょうか?」
nice!(8)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー