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改革-12 [シトワイヤン-30]

地球温暖化など環境問題は経済活動と表裏一体、簡単にどうこう出来ることではない。
電気や交通手段の為に膨大な化石燃料が消費されて来たし、この瞬間にも大量に消費され温室効果ガスが大量に放出されている。
この消費をやめたら人間の社会活動は根底から崩壊するだろう。
化石燃料からの脱却はハードルが高い。
地球温暖化、これまでも多くの人々がこの問題に取り組んで来たのだが、地球全体で検証してみると好ましい方向に向かっているとは言えない。
僅かばかりでも温暖化を遅らせる事が出来たかどうかというレベルで有り、一度上がった平均気温を下げる事は別の大きな要因が絡まない限り難しいだろう。
大災害をもたらす様な要因しか思い浮かばないのだが。

姫さまは『子孫に負の遺産を残し過ぎているのではないか』そう問いかけた。
環境問題だけでなく様々な場面で『子孫に負の遺産を残し過ぎているのではないか』と。
根本的な解決が出来なく永遠に対立を続けそうな人達がいる。
食糧問題としっかり向き合うことなく人口を増やし続けている国が有るかと思えば、少子高齢化の進む国も有る。
遠い未来の子孫だけでなく、今の子ども達が背負って行かざるをえない負担は小さくない。
姫さまは大きく問題を投げかけ、我々はそれに対する反応を見ている段階。

「姫さま、環境問題に対して我々の出来る事を模索中です。
その一つのシンボルとして使えないかと、姫さまの話された飛行船について調べてみたのですが、とてつもなく実用的ではないので、遊覧飛行と広告ぐらいでしか使われていないようです。」
「そうでしたか、以前西海岸で企業宣伝に使われているのを目にしましたので、もう少し使われているのかと、ヘリコプターの様な騒音も無くて悪くないと思ったのです。」
「ですね、一応、導入する場合の問題点などを調査して貰っています。
のんびりとした空の旅を売りに観光で利用出来れば、料金が高額になっても需要は有ると思いまして。」
「旅行での移動は速さを求め過ぎて来たと思います、空の上からのんびり地上を観察するのは悪くないのですよ。」
「姫さまは、そんな高さまで舞い上がっておられるのですか?」
「清香村の中だけです、トンビと一緒に。」
「空から見る清香村はどうでしたか?」
「綺麗な森に囲まれた美しい村です、廃屋が有ったなんて信じられないぐらい。
清香村の様な村を増やして行きたいですね。」
「限界集落や廃村は沢山有ります、苗川大改造を知った人達が地方で放置されてる豊かな森林資源を、景観を含めての財産だと見てくれれば、少しは変わって行くと思うのですが、まだ動きは弱いです。
もし飛行船での行き来が実現したら、あちこちの過疎地に姫さまの別荘を建てて行ったり来たりして下さると、巡礼者を分散させる事になり地方の活性化に繋がるかも知れません。
地方が活気づけば国のバランスが良くなると思います。
まあ、飛行船では制約が有って、予定通りの移動が出来ない場合も有ると思いますが。」
「日本人は何もかもスケジュール通りにしたがります、でも、もっとアバウトでも良いでは有りませんか。
気象状況によって大きな変更が有りますとアナウンスしておけば良いのですよ。」
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