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社-02 [シトワイヤン-28]

舞姫さまの社、その経済効果は大きい。
DVDよりホログラムの方が姫さまを強く感じられるとの噂が広がり、苗川まで来られない人達が過疎化の進む田舎の村に足を運ぶ。
それに対応して店を増やし、道路拡張工事が始まる。
無秩序な開発にならぬ様、社を建てる際に周辺の土地を安く取得して有るので、言わば門前町が整然と形成されて行く。
現時点では五か所の過疎地で稼働中だが、全国から問い合わせが来ていて、どこに建てて行くか検討中。
ただ、姫さまが立ち寄らないと、ホログラムでもDVD程度にしか姫さまを感じられないという事情が有り簡単に量産とは行かない。
今の所、各都道府県に一か所を目標にしているのだが、欧米からも問い合わせが来始めた。

「海外に建てる社は宗教性を弱める意味でも日本のもの以上に娯楽施設を併設したいですね。」
「なあ、智里、だからと言って中東の地下迷宮計画はやり過ぎじゃないだろうか。」
「中途半端なものを作るより良いと思いますよ、拡大を続け絶対完成させないという方針は工事関係者に安定した雇用の場を提供し、その変化がリピーターを呼び込むでしょう。」
「ただ、その規模がな、こっちのスタッフが盛り上がっていた規模を遥かに超えているだろ。」
「二か国同時進行の効果でしょうね、仲の良い国ではないのでライバル心が働いて。
両方へ行って比べる人もいるでしょうから相乗効果が見込めますね。
国の為に観光で雇用を生み出すとか、お二方とも色々考えておられるのでしょう。
建設計画の発表が有ってからDVDが売れ始めて、社が完成する頃には万里の知名度が現地でも上がってると思います。」
「そうだな、その社も地下だから外観のデザインを気にしなくて良いのは助かったよ、モスクっぽいのは建てたくなかっただろ。」
「大きく掘って完成したら土を被せて地上は緑化、換気口は植物で隠すとか、水道関係が大変そうですが。」
「自前の海水淡水化装置が稼働を始めるまでは、本格的な緑化は出来ないみたいだよ。」
「暑そうですが工事は大丈夫なのでしょうか?」
「重機も大型ダンプカーも冷房が効いているだろう。
現場でユニットを組み立てるのも涼しい時間帯に一気に出来る様、簡単にしたと聞いている。
暑い時間帯は冷房の効いた屋内で、姫さまがアラビア語っぽく歌ってるCDを聴きながら内装工事という事らしいから大丈夫さ。」
「万里がひたすら聴いて真似してみたというCDですね。
取り敢えず発売したけど、売れるのかしら?」
「現地の人でも違和感はないそうだから、姫さまの訪問に合わせて、簡単に品切れとならない量は送っておきたいね。
王子が姫さまを国賓として招くと発表したから、実業家の方も国に働き掛けているそうだよ。
向こうでは皇室とは別で、日本の姫さまという扱いになってるらしくてね、皇室が続いていても幕府が実権を握っていた歴史が紹介されているとのことだ。」
「そこから、どう話を大規模娯楽施設に結び付けて行くのか見ものですね。
しかも地下。
巨大ホールの天井を地上に出して自然光を取り入れるとか、地上から地下五階までの吹き抜けとかも有って地下施設の暗いイメージを出さない反面、迷宮エリアではドキドキの体験が出来るアトラクションを満載、プールも地下に、迷宮エリアが有る程度出来上がってから行きたいですね。」
「私達が行く時は、社と数軒の飲食店だけだからな。
その後は、大きな施設が完成する度にイベントを開催して、リピーターを飽きさせない工夫をして行くそうだから、その度に呼ばれるかも知れないよ。
ヨーロッパで舞姫さまの祝福を感じた人達の新たな聖地となるのだから集客に問題は無いと思うのだがね。」
「う~ん、聖地を巡る争いは起きないですよね。」
「たぶんな。」
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