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巡礼-08 [シトワイヤン-27]

愛華中心に舞姫フレンズをどういう形で広めて行くかが旅行中のテーマに加わった。

「舞姫フレンズを姫さまファンの総称として、ファンクラブも作る?」
「作っても良いが、会員数が億単位になるかも知れないぞ。
DVDが売れてるのも、巡礼で近くまで来る程ではないにしろ、祝福を感じているからだろ。
今のグッズ販売体制を強化するだけにしておいた方が良くないか?」
「メッセージを送るのでしたら、ファンクラブでなくとも…、ただ言語面の拡充が必要でしょうか?」
「そうだな、メッセージとしては舞姫フレンズ心得みたいなのを告知して行くことにするか…、姫さま、如何です?」
「舞姫フレンズの心得的なものは簡単に『弱者に愛の手を』ぐらいにしておいて、後は地球市民党の紹介をして行く形はどうでしょう?」
「欲張らずSimple is best という事ですね。
舞姫フレンズはシンプルに、そこから地球市民党へどう繋げて行くかは今後の課題になりますが、難しい話がなければ、自分は舞姫フレンズだと名乗り易くなると思います。」
「愛華は、舞姫フレンズ、どのタイミングでの発表を考えてる?」
「姫さまに舞を舞って頂いた後はマスコミが一段と盛り上がると思うの、その辺りでどうかしら。
シンプルに行くので有れば準備も簡単に済ませられると思うわ。」
「確かにパリでも舞の反響は大きかったからな。
今回は海外へも映像が配信される、そう考えると、舞姫フレンズは祝福を感じ感謝している人の総称で、姫さまからは、弱者に愛の手を差し伸べて下さる方とだけで済ませるのがベストだな。」
「でも、和馬さん、それだと、自身のことを弱者だと捉えている人が残念な気持ちになりませんか?」
「あっ、弱者側の視点か、彼等こそ舞姫フレンズの一員になって欲しいのだから…、隣人を愛せよ、とかにした方が良いのかな。」
「智里と姫さまの原点に立ち返って『内面の恰好良い人を目指そう』というのは如何でしょう、人間的な格好良さの基準は国によって異なるでしょうが、苗川大改造に関する書物は、姫さまの生い立ちを辿る上で欠かせないとパリでも大人気だそうです。
女性を軽んじて来た国の方々に対して、差別する人は恰好良くないと伝えて行く努力が前提ですが、自己の成長を望む、という意味で、市民教育の原点となるかも知れません。」
「確かに清香の言う通りだ、苗川で成功したのは難しい言葉ではなく『内面の恰好良い人を目指そう』といった、多少曖昧では有るけれど分かり易い言葉で、智里は意識してた?」
「勿論ですよ、小学校の低学年に説教しても始まりません。
掃除を積極的にしている子に対して、恰好良いね、と褒める事が私達の小学校で始めたことです。
そうですね、世界中の政治家に対しても、バランスの取れた政策を進めている人には…、私から格好良いねと言って差し上げたいものです。」
「うん、それは良いかも。
今後、姫さまの発言は重く受け止められ不用心な事は話しづらくなると思うんだ。
智里や愛華が地球市民党のスポークスマンとして、政治家達を時に褒め、時に苦言を呈する。
バックに姫さまの存在という形は悪くないと思うな。」
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