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舞姫-04 [シトワイヤン-24]

チーム再起動の活動と並行して進んでいるのが大学生向けのインターンシッププログラム、夏休みを利用した企画には、すでに多数の応募が有るそうだ。
その高校生版は高校生部会が検討していて、企業サイドと交渉中。
ただ、企業として早めに繋がりを深めたいのは、将来的に業務の中枢を担ってくれそうな人で有り、高校生に対しては消極的。
それでも、高校生部会で研修を行い、そこで意欲を確認できた者を受け入れて貰う方向で話は進んでいる。
本当は、意欲の弱い人にこそ、こういった企画を体験して欲しいと思うのだが、企業サイドにしてみればそんな高校生は迷惑でしかない。

「お姉ちゃん、学校の成績が悪く、企業体験に興味が無く、将来のことを考えてない人は犯罪者になる確率が高くなると思わない?」
「そうね、高卒で何となく就職して、直ぐにやめてしまった人達はどうしてるのかしら。」
「楽して稼ぐ道に誘われて詐欺グループの一員になったりしかねないよね。
少子化で絶対数の少なくなってる若者が犯罪者になってしまうのは嫌だな。」
「舞姫さまから呼びかけてみる?」
「どういう風に?」
「高校へ進学しなかった姫さまが何をしてるのか、世間の人達は気になってると思うわよ。
和馬さんと相談して、チーム再起動関連の近況報告から、皆さん真面目に将来の事を考えましょうってアピールしてはどう?
先生の言う事は聞かなくても、舞姫さまのお話なら聞き入れられると思うわ。」
「そんな簡単な話じゃないでしょ、私はその対象となりそうな人達とはあまり話したことないし…、私の中学で学力の低かった人でも…、参考にはならないでしょ。」
「そうね、私達が校風を変えて来て…、高校の同級生から聞いた話からすると、私が通ってた頃でさえ、他校と比べてとても平和な中学。
先生からも、万里が入学して更に穏やかになったって聞いたことがあるわ。
中退したくなる高校の実態を万里が想像するのは難しいかもね。」
「直接色々な人と会って、お話を聞くべきかしら。」
「う~ん、奴らも舞姫さまの前では大人しいと思うから、高校生部会のスタッフと相談してみようか。」
「うん、伝聞だけで話すのは間違いの元だと思う。
週一ぐらいのペースで色々なタイプの人と話してみたいかな、怖い人の時はお姉ちゃんも来てね。」
「はいはい、そっちは任せておいて。」
「でも、逆にビビらせないでね、お話を聞けなくなっちゃうから。」
「分かったわ、気を付ける、万里に怖い思いをさせる様な奴は苗川へ遊びに来れなくすれば良いのね。」
「そうじゃなくて~、今、他事考えてたでしょ。」
「うん、やんちゃしてた後輩達がどうしてるかなって。」
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