SSブログ

進路-07 [シトワイヤン-23]

万里は会社見学を切っ掛けに、苗川インターンシッププログラムに興味を持ったようで。

「お姉ちゃん、大学生の職業体験について相談し始めたそうだけど、どんな感じなの?」
「インターンシップの話、聞いてくれたんだ。」
「少しだけね、普通のインターンシップは一企業対学生という形なのでしょ?」
「うん、企業側には優秀な学生を見つけ就職に繋げたいという思惑が有るからね。
でも、田舎の企業ということは学生にとって最初のハードルが高いのよ。
そこを、苗川の企業という括りにして、一つの企業を体験しながら他の業種の事も知って貰おうという取り組みなの。
一つのプログラムで幾つかの業種について知ることが出来るのであれば学生にとってメリットになるでしょ。
企業側としては体験して貰ってそのまま就職という思惑が有るのだけど、体験した人が他社を選ぶにしても苗川エリアで就職してくれるならと考えていてね。
自分の会社の事だけでなくエリアの活性化を考えて下さってるのよ。
人が集まって来る魅力的なエリア、特に若年層が集まることの意味は大きいと思わない?」
「そうね、そういう考え方で動けるのは、本社を苗川に移せた余裕有る企業だからかな。
でもさ、この企画だけで協力というのは残念な気がしない?」
「というと?」
「もっと、協力し合えることが有ると思うの、ほら、ちゃっかり私のステージを相談しておねだりしたみたいにさ。」
「そうね、う~ん、何が出来るのかな…。」
「幾つかの現場を見させて貰ったのだけどね、社内の男女比が偏っていたり、社内恋愛の弊害を語る部長さんがいたり、移住してきて落ち着いて、さて婚活という人も見えるそうよ。」
「婚活プログラムか…。」
「婚活だけでなく、移住者同士、移住者と原住民が知り合える切っ掛けは多い方が良いと思うな。」
「そうね、市民祭の運営側にも参加して貰い易い体制を考えるべきかしら…。」
「苗川高校生部会に対抗して苗川企業部会の設立ってどうかしら、何をするかは部会の皆さんに丸投げすれば、お姉ちゃんの負担は軽くて済む、でも部会の要職について置けば企業部会を利用し易いかもよ。」
「ふっふっ~、お主も悪よの~。
万里が動けば、そんな組織簡単に出来るわね。」
「新しい市民たちが、苗川で暮らすことに更なる価値を見出せば、苗川の魅力はもっと高まると思うな。」
「そうね、世界一の苗川市だけど常に上を目指さないとね、本間さんとも相談してみるわ。」
nice!(10)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー