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智里-08 [シトワイヤン-21]

メロディー言語のシステム構築は和馬さん達が市民政党若葉を立ち上げる時にシステム構築した方々が引き受けて下さった。
そんな関係も有り、和馬さん達も私達の取り組みに気を掛けて下さっていて、本間さんの家で顔を合わせた時などは…。

「智里ちゃん、システムのベータ版は特に大きな問題なく運用されてる様だね。」
「はい、いきなり本格運用でも良かったぐらいです。」
「今回は新しいプログラムを多用してるそうだから、そうも行かないのだろう。
ある程度多言語との対応を進めてみて問題がなければ本格運用開始だと聞いてるが、収益性の方はどう?」
「すでに万里関連のものがサイト経由で沢山売れています。
キャッシーに紹介されたミュージシャン達が演奏の合間、楽器でおしゃべりしながら説明してくれたことも有りまして、そこからメロディー言語に興味を持ち、サイトにやって来て万里の動画を目に、そして思わずDVDを買ってしまう、という流れでしょうか。」
「ミュージシャンはキャッシーの知人?」
「彼女の両親は広い人脈を持ってるそうです。
お願いして、と言うより、万里たちが歌ってるメロディー言語のサンプル映像を見せたら、面白がる人が多かったと話していました。
メロディー言語用に自分の曲から修正して登録したいという話も幾つか出ていまして、語彙が豊富になりそうです。」
「語彙が増えると覚えるのが大変になりそうだな。」
「どんな言語でも同じですよ、言わば時代に逆行したのんびりした言語、ただ世界共通語と広め易い一面が有る、残念ながらメロディーを覚えることの苦手な人には向きませんが。」
「まあ、今は国内中心だから問題ないだろうが、これから共通語として使う機会は出来そうなの?」
「ふふ、ビッグチャンスがやって来るのです。」
「やって来る?」
「はい、日本ツアーの途中で苗川にも立ち寄って下さる歌手がいるそうで、今、調整をしています。」
「わざわざ苗川に?」
「はい、万里に会ってみたいそうで、苗川の自然溢れる風景と私達との映像も撮影するそうです。
歌による対話が上手く成立するかどうか楽しみですね。」
「ライブもして貰うの?」
「苗川には広い会場が有りませんので、正式にチケット販売する様なライブは難しいです。
それより、苗川ではゆっくりして頂いてリピーターになって頂きたいと。」
「そうだな、忙しい思いをさせるより苗川に対して良い印象持って帰って頂くことが大切だ…、が、こちらで取材させて頂くことは可能かな?」
「メロディー言語でのインタビューは出来ます?」
「うっ、そう来たか。」
「英語も分かるメロディー言語通訳者は用意出来ますが、料金は少々高くなりますよ。」
「はは、智里ちゃんも商売を考える様になったんだね。」
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