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起業-08 [シトワイヤン-20]

「智里ちゃん、苗川銘菓舞姫は苗川名物になりそうだね。」
「はい、店に置きたいという問い合わせに応えきれない状況になりました。
本間さんの後押し有っての事で感謝しています。」
「はは、市長として当然のことだよ、高校生が活発に動いてくれる事は市をより活性化させるからね。
高校生部会は地方都市に可能性を示してくれてると思うよ、結局のところ若い世代が社会と良い形で係わっていれば、人が作り出す環境が自ずと良くなって行くのだと実感してるんだ。
自分の事だけで精一杯の人が多い中で、一市民として社会問題と向き合っている人達が影響力を持ち始めているからね。」
「その中心に何故か中学一年生の万里がいるのは不思議な感じです。」
「そうだな、他の誰にも感じたことのない不思議な魅力を感じさせる子、万里さまに誓って嘘ではない、なんて事を言ってる人がいたが、そういう存在なんだろう。
それで、万里ちゃんが会長を務める株式会社舞姫の今後はどうなるのかな?」
「銘菓舞姫は質を落とさない様に気を付けながら、思い切った設備投資によって生産能力を高め、効率的な収益アップを図って行きます。
『舞姫万里と仲間たち』は秋から月刊誌に。
四コマ漫画を含め、寄せらている原稿量は月間化に問題有りません、飽きさせない内容が課題ですが、大勢で様々な観点からチェック、『発行部数を落とさない』を合言葉に進めています。
もう一つ新しい取り組みとしまして、万里関係のグッズを考えています。
愛華さん達の展開と被らない商品を開発、製造販売して行きます。」
「その辺りは愛華くんと調整してるのかな?」
「はい、うちで考えているのはお守りの様なもので、手芸をやってる人が自作のサンプルを持ち込んでくれました。
可愛らしい袋の中に万里の写真を入れて売り出してみます。
一人で何個も買う様な商品では有りませんので地味に作って地味に売ってみますが、手作りなので初期投資は僅かで済みます。
その反応を見ながら、私達が扱い易い商品を模索して行こうかと。」
「それなら、苗川への訪問客が買うんじゃないのか、そういう手作り商品なら種類を豊富にし易いだろう。
そうだな、製造にお年寄りの力を借りるのも有りじゃないか。」
「あっ、『お年寄りに生きがいを』ですか?」
「ああ、そういう品物なら材料の布は端切れとか古着でも良いのだろ。」
「そうですね…、古風なのが今どきの若者に受けるかも知れません、老人会とも相談してみます。」
「頼むよ、老人にとって、ちょっとした暇つぶしが、ちょっとした小遣い稼ぎになるのが理想なんだ。」
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