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万里-07 [シトワイヤン-19]

「他にはどんな話をしたの?」
「天才論で少し盛り上がったわ。
愛華さんによると、和馬さんは天才と秀才の中間だけど、私は、完全に天才だって言うのよ。
そしたら、十で神童十五で才子二十過ぎれば只の人に対して英語には、A man at five may be a fool at fifteen. 五歳で大人並みの子は十五歳では愚か者というのが有るって。
十で神童十五で才子二十過ぎれば只の人、は早熟なだけで特別な才能を持ってる訳ではないという事でしょ。
英語のは、早熟過ぎると間違いを犯すという事なのか、とか解釈でね。」
「万里は大人に教える事もあるから、単なる早熟とは違うと思う。
天才というより、天から舞い降りた、私の天使だわ。」
「あらっ、私はお母さんから生まれたと思ってた。
でね、人より優れた才能を持っているとしたら、それをどう活かすかが問題でしょ。」
「そうね、万里はどう活かして行くのかな?」
「今は一市民として学び、社会との関係を良好なものに築き上げてる最中だけど、先の事は分からないと話していたら、アメリカの大学へ飛び級で入る話が出て来たの。
社会のリーダーとなる為にって。」
「う~ん、大きくなっても万里の癒しパワーがそのままだったら、有能なリーダーになると思うけど、アメリカへってのは寂しくて絶対嫌だわ。」
「清香さんも日本にいて欲しいとおっしゃって、通信教育とまでは行かなくても、お客様の何人かと交流を続けて行く道を提案して下さったの。」
「あっ、その一人が英語の歌を教えてくれる先生なのか。」
「うん、暫くは四人の先生とメールのやりとりをすることになって、英語力のアップを強制されたようなものね。」
「大変そうだけど。」
「子どもは間違えながら成長して行くものだそうで、細かい事を気にしちゃだめなの、それとメールは清香さんたちにも同時に送って、先生達との間に誤解が生じる様な時は手助けして下さることになったわ。」
「それは心強いわね。」
「何でも、私の成長を感じていたいのだとか。」
「ある意味、下心有りなのか。」
「でもさ、成長が遅いなんて思われたら私のプライドが許さないでしょ。」
「はいはい、英語の学習に付き合うわよ、これから、お父さんとお母さんの前では英語で会話しようか。」
「お母さんはともかく、お父さんとは…、お姉ちゃんはお父さんの事嫌いなの?」
「多分本能、お父さんの事が好きでも結婚出来ないでしょ、親離れは必要なことなのよ、私はまだ上手にやってる方だと思うわよ。」
「じゃあ、私もお父さんに冷たくする様になるのかな。」
「あっ、それって面白いわ、世界中でただ一人、万里から冷たくされるお父さん、その時は私がお父さんを慰めてあげるから心配しなくて良いからね。」
「う、うん。」
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