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お祭り-06 [シトワイヤン-17]

イベント中、幕間に軽く私達のトークを挟む。

「お姉ちゃん、今年の市民祭はイベントが増えたね。」
「ええ、二週間に渡ってあちこちに分かれてだから、全部回るのは不可能になったわ。
万里はどのイベントに興味が有るの?」
「市内のサークル紹介、参加型イベント、中学生になったら何か始めたいのよ。」
「スポーツ?」
「う~ん、しごかれるのは駄目かも。」
「文科系だって、しごきがきついかもよ。」
「そうなの?」
「ブラバンや合唱だって体力勝負なんだから。」
「そっか、私、姉ちゃんほど逞しくないからな。」
「そうね、少しだけなら筋肉をつけても良いわよ。」
「少しだけ?」
「筋肉ムキムキの万里なんて見たくな~い。」
「そんな根性有りませ~ん。」
「でも、問題はサークル関係者の方ね。」
「何が問題なの?」
「皆さん、万里を是非うちへと、虎視眈々と狙ってそうでしょ。」
「そうかしら?」
「はい、次は万里を一番狙ってそうな老人会、古城クラブの歌と踊りです。」
「私に参加資格が有るのかしら?」
「では、どうぞ~。」

演奏が始まった、舞台裏で。

「さすがだね、智里ちゃんと万里ちゃんが登場するだけで会場の雰囲気が変わるよ。」
「そうですか?」
「紹介は三組が交代で担当してるが、二人の時だけだよ、演奏の時より観客が舞台に集中しているのは。」
「まあ、超絶美少女、万里の姿を瞼に焼き付けたいでしょうからね。」
「姉として妹に嫉妬するとかないの?」
「世界で一番大好きな万里に嫉妬なんてしませんよ、ね、万里。」
「お姉さま~、おやつはアイスが良いです~。」
「はい、はい。」
「あっ、おやつは私が用意するよ、好きな銘柄とか有れば教えてね。」
「えっと、お姉ちゃんは…。」

万里自身、こういった話題は好きではないので話をすぐにはぐらかす。
でも、冷静におやつをゲットすること忘れていない、良く出来た妹なのだ。
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