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政権-02 [シトワイヤン-14]

翌日の朝刊は衆参同日選挙決定の話題が大きく紙面を埋めた。
そんな中、鷹上党首、愛華、清香のスリーショットは人目を引く。
康太は…。

「なあ和馬、これって一つ間違えたらコスプレだよな。」
「まあ、道着をモチーフにした衣装を党首の記者会見で披露だから違和感を感じた人はいるだろう。
でも、戦うことをイメージ、日本風の衣装でと考えた結果だなんだ、彼女達は表情とかも研究して来たそうでね。
鷹上党首の全力を尽くして政権政党を目指す、という決意を後押し出来たのではないか、二人のここまで真剣な表情は初めてだよ。」
「それは否定出来ない、選挙には間に合わないがポスターにして売り出すべきかな。」
「清香が来たぞ、直接相談したら?」

ポスターは党首を含めた三人バージョンと愛華と二人のバージョンで進めることに、そして…。

「ミュージックビデオに出て欲しいという話が来ています。
撮影風景だけを先行で配信するのなら選挙期間に間に合うとのことで。」
「私設応援団の皆さんは、選挙戦がイメージ戦になることを分かってるからな。
清香、大学の方はどうするんだ?」
「ここが正念場です、大学をお休みしてでも、やれる事をやっておきたいです。」
「うん、その撮影風景を見たことによって、市民政党若葉に一票、となる可能性は否定出来ない、その積み重ねが議席に影響するだろう。
自分からは候補者に対する、友人知人推薦人からの紹介をもっと増やすことを提案しておいた。
色んなエピソードを知れば、大した情報の無い対立候補よりもより身近な存在になるだろ。
今回は政策面での対立が少ないのだから、徹底的にイメージ戦略を展開する必要が有るんだ。」
「党としての徹底した情報公開、党のシステムによって従来の政党とは大きく異なる党運営、ご老人の出馬が無く女性候補が多い、多くの著名人に応援されてる、康太はこれ以外に何か思い浮かびますか?」
「資金も公開してるし…、隠してるのは清香のスリーサイズくらいか?」
「それは誰も興味ないでしょう。」
「どうかな、まあ、改めて投票という事を考えてみたけど、政策や候補者の主張を客観的に判断出来る有権者は決して多くないと思うんだ、イギリスの国民投票によるEU離脱のごたごたは良い例じゃないのか。」
「だよな、ややこしい問題が有ったとは言え、EUとしては更なる離脱を防ぐ意味で甘く出来る訳がなく英国にとって不利益が生じる事は明白だったのに、離脱を国民が選択したのだからな。」
「民主主義の原則に則って公正な選挙でなければいけないとは思うが、主観的な判断で投票する人が多ければ、本来の意味をなしていない気がする。
市民政党若葉のシステムこそが民主主義の有るべき姿なのかも知れない、それを国政に生かし発展させて行く為の、タレント候補や私設応援団の応援による議席数確保は間違ってないと思うよ。」
「まあ、アンチの攻撃材料はそれぐらいだからな。」
「タレント候補の皆さんは、党システムを通して学ばれています、皆さんトーク力の有る頭の良い方ばかりですので、アンチに負けていませんね。」
「逆にアンチを利用して得票を伸ばすのかな。」
「ネット上での前哨戦といったところか…、公示日が待ち遠しいな。」
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