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拡大-01 [シトワイヤン-13]

翌日は本間市長と昼食を共に。

「本間さん、統一地方選挙で落選したのが三名のみというのは大成功ですよね。」
「ああ、落選した所は定数の多い選挙区に複数の候補を立てたところで、作戦ミスだったな。
苗川は、党のアンケート結果から事前に調整して全員当選、最下位当選者の得票数が予想以上に少なかったから、もう一人立てても良かったぐらいさ。」
「さすが、苗川支部に抜かりは有りませんね。」
「支部長は良くやってくれてるよ。
今回の統一地方選挙で党所属の地方議員は一気に増えた、この勢いで参議院選挙でも議席を確保したい所だな。」
「この県の改選は一議席でしたね。」
「ああ、候補者はほぼ固まっていて、地方選の結果を考えると勝てる可能性は高いよ。
ただ、全国でとなると何人の候補者を立てられて、何人当選出来るかは予測できないね。」
「はい、現職の壁が厚い気がします、それでも市民政党若葉は、政府に対して、批判ではなく提案、という姿勢を取ってることが国民に好感を持たれていると聞いています。」
「みたいだな、他党から鞍替えした人達は、政府批判するしか能のない野党に愛想が尽きての決断だったのだろう。」
「全選挙区に候補者を立てたいという党員が多いですが、本間さんはどう思われます?」
「そうだな、多目に候補者を擁立したい、選挙に自分達の党の候補がいないのは寂しいだろ。
まあ、有る程度の得票を得ての落選なら次に繋がると思うんだ、参院選で名を売っておいて、衆議院を目指すのも有りだろ、得票数が少なかったら議員には向かない人だと判断して、次からは他の人を立てるとか判断材料に…、いや、そんな人は立候補させちゃだめだな。」
「参院選で得票数が多ければ、落選しても衆議院や知事、市長への足掛かりになるという事ですね。」
「統一地方選挙の結果は、市民政党があちこちで与党の組織票にダメージを与えている事の証明、勿論、大差での落選はイメージが悪く次に繋がらない、少なくとも善戦出来そうな候補でないとな。
でもまあ、参院選対策本部にお任せで良いだろう。」
「そうですね、これまでの選挙では無党派層だけでなく、与党支持者を取り込むことにも成功。
党員は選挙の度に増えていますので、初の国政選挙で旋風を巻き起こせると信じています。」
「ああ、党員票だけでかなりの得票が見込めるのは、対立候補にとってプレッシャーだろ。
そこで、くじけてくれれば楽勝だが、逆にプレッシャーをばねに頑張る人もいるのかな。」
「与党の組織票はどうでしょうか?」
「利害関係がはっきりしている組織は崩れないだろうが、苗川のビッグプロジェクト見て心が揺らぐ人はいるだろう。
選挙の時、地方の活性化を謳う候補はいても、当選した後、何の結果も見せられない人ばかりさ。」
「具体性に欠ける漠然とした主張をしていても当選してしまうのですね。」
「与党の公認候補というだけで票が入るからな、不祥事を起こす様な人でも当選だ。
まあ、具体的なマニュフェストを掲げて政権を握り、それを殆ど達成出来ず日本を停滞させた政党も有ったんだ、漠然としておけば、やれなくても嘘にはならないと考えてるのかも知れないね。」
「我が党の公約に嘘はないですよね。」
「公約作成に携わっている人は多く質も高い、党のシステム有ってのことだがな。
細部では具体的な案を提示、それぞれに作成担当責任者を明らかにしている。
政権を取れたら、そのまま事業を進められるレベル、勿論政府が案を採用してくれて構わない。」
「あっ、衆議院選挙は何時頃になるのでしょう?」
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