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九月一日-06 [シトワイヤン-09]

番組は進み党組織改編の話、俺と愛華のVTR映像が流される。
この改編は、党のサイトを閲覧している党員にとっては既知の事だ。

「和馬、党内の組織が変わって行くのよね。」
「ああ、サイトでは議論が進んで形が出来つつ有るが、党員になりたての方もお見えになるだろう、ここで紹介させて頂くよ。」
画面には現在の組織図が。
「骨組みを日本の行政機関に合わせた筈が、もう随分違う形になってるわ。」
「党では省庁や大臣の数に合わせる必要がないから、大きなテーマ毎に分けたのさ、農林水産業を一つの括りとする意味はないだろ。
敢えてバラバラにしてから、関連する部分をどう繋げるか検討して行くんだよ。」
「農業部、林業部という事で大臣に当たる人は部長になったけど、今の政府にはない部署も有るのね。」
「まあ、どこかの管轄には似た様なのが有ると思う、部の下に課や係りも有るが分かり易いネーミングに苦労しているそうだよ。」
「それぞれが検討している課題を党員の皆さんに伝わり易くする、名称は党員の皆さんから募集しているのでしょ?」
「勿論さ、それでも検討中の課題にだって価値観の相違によって話が進みにくい事はいくらでも有る。」
「そうね、急激な党員増加による歪も有って、憲法九条の改正に関して党の方針に疑問を持たれてる方も見えるわ。」
「そうだな、党組織を強いものにして行くためにも大切なことだから皆さんに考えて頂こう。」
「憲法九条の問題は、平和憲法として変えるべきではないと考える人と、普通の読解力を持つ中学生なら自衛隊が憲法違反だと判断できる、今の条文をこのままにしておくのは不味いと考える人が対立してるのよね。」
「陸海空軍その他の戦力は、これを保持してはならない、では自衛隊は何なのかって矛盾が放置されたままで良いとは思えない。
自衛隊はいらない、米軍に守って貰えば良いと考えてる人や、日本の領土が他国に脅かされる事は無いと信じている人、まあ大都市に住み美味しいお魚を食べていても、領海や水産資源の事を考えていない人、他国に島の一つや二つ差し上げても大人しくなってくれれば良いなんて理解の人は市民政党若葉を離れ別の党を支持して下さい、と言うのが党の方針。」
「平和憲法と言えば聞こえが良い、でも、法律は感覚的な感情に流されるもので有ってはならないシビアに解釈されるべき物。
法に、論理的矛盾が有ってはまずいし、社会情勢が変化して現実に合わなくなった法で有っても、法改正されるまでは、その法が尊重される、それが法治国家なのよね。」
「ああ、党組織は、法改正すべき事がないか、新たな法が必要ではないか、皆で論理的に考える場であって…。」

急激な党員増加によって理解度の低い党員も増えている。
敢えて、党代表からでは無く自分達が話したのは、これから自分達が党の広報として動くという意志表示だ。
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