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九月一日-01 [シトワイヤン-09]

九月一日、市民政党若葉リアル党本部開設。
今まで党本部はウエブサイト上のみの存在だったが、康太が部屋を用意した。
何が違うかと言えば、住所が公開され郵便物の受け取りが可能になったという事ぐらい。
固定電話を置いてないのは電話対応の無駄を考えての事、単純に人件費の節約。
元々ネット上で完結している、党本部に電話を掛けて来る人物にまともな人はいないと判断した、株式会社和馬から本日付けで形式上移籍した職員に、無駄な仕事をさせたくないのだ。
リアル党本部に多くの報道陣が入るスペースは全くないので、党本部開設に関するイベントには近くのホールを借りた。
午前十時、報道陣のカメラに囲まれて…。

「ネット上に出現した市民政党若葉、その可能性を多くの人が考え…。」
と、党代表のスピーチ。
その後、党発起人会代表として自分が指名される。
「始まりは、昨年四月、発起人会の四人が初めて出会った場で、今の政党には魅力を感じない、と愛華が漏らした一言でした。
それから多くの助言と手助けを頂き、ネット上に政党システムを誕生させることが出来、その時点で、発起人としての役割は終わったと思っています。
この政党システムは、その可能性を感じて下さった党員皆様のものとして歩みを始め、私達は一党員として、ただ学ばせて頂く立場となりました。
様々な偶然が重なり市民政党若葉は、短期間でその体制を整える事に成功しましたが、それは党員になって下さった皆さんのお力です。
本日、市民による市民の為の政党として、更にランクアップした市民政党若葉を誇らしく思っていますが、まだスタートに過ぎません。
これからも、皆さんと共に嘘偽りのない魅力的な党を目指して歩んで行けたらと考えています。
宜しくお願いします。」
こう言ったスピーチは苦手だ。
でも、愛華は笑顔で合格点をくれた。
次は清香の出番。
「ここからは、本日より市民政党若葉の地域支部を紹介させて頂きます。
ちなみに、各支部は所属議員の名簿と共に党のサイトで公開していますので参考にして下さい。
この後のネット配信は生中継とVTRで各地の支部を繋いで行きます。
スケジュールはこの様になっていますので、皆さんお住まいの地域支部を見逃さないで頂きたいですが、本日の映像は、四日以降、党サイトでも支部毎に閲覧可能な状態にさせて頂く予定です。
最初の中継は最近ファンを増やしつつある、芳樹先輩の担当、お願いします。」

ネット配信、俺達の出番はしばらくないので、モニターを見ながらくつろぐことに。
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