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夏休み-09 [シトワイヤン-08]

記者会見で何を語るかについては、党代表の記者会見と矛盾を生じさせない様に打合せしたのだが、そこでポイントになったのは党員のみが閲覧出来るサイト。
記者会見でマスコミの注目を集めた翌々日、そこに国会議員からの書き込みが公開され意見交換が始まる。
先陣を切って下さった先生は、ご自身の考えを明確に示して下さった。

「国会議員が所属政党を離党して合流という事に対して、結構突っ込んだ議論がされてるわね。
こんな内容まで公開して良いのかしら。」
「まあ、建前上は党員のみが閲覧出来るサイト、党員に隠さず意見を求めるという姿勢は悪くないだろう。
まあ、歓迎する声が多いし、出身選挙区では九月一日に党支部立ち上げが確定している、彼女に問題はないと思うね。」
「後は、二人目三人目が何時名乗りを上げるかですが、その度に取材依頼が来るのでしょうか。」
「聞かれても、一般党員でも知り得ることしか知らないのだから、これからは党の広報に聞いて下さいとお断りして良いんじゃないのか。
今はこちらからアピールする時ではないだろ、まずは残りの旅を楽しもう、まあ、美女二人が目立ちすぎて落ち着かないけどね。」
「和馬が一番注目されてると感じています。」
「でもさ、どこへ行っても『テレビで見るより良い男』でしょ、テレビではどれだけ不細工に映ってるのって思うわ。」
「そ、そうだよな、単純に褒めて貰ってると思っていたのだが…。」
「それより総理大臣になって下さいという声が更に増えた気がします、最短で五年後、その時点で市民政党が政権与党になってる必要が有るのにですよ。」
「皆さん、若いリーダー、ヒーローの登場を待ち望んでいるのよね、和馬、どうする?」
「この先、市民政党がどうなって行くのか分からないからな、党員が増えた事によって研究者がまとめている党としての意見とは違う価値観を持つ人も増えるだろう。
まずは党員が同じ方向を向いてくれる様に教育して行く必要が有るね。」
「そこは番組を通して和馬の力量が試されているのでしょ、でも、総理となると一番の問題は外交かしら。」
「若くして総理大臣になるとは思っていないが、他国の元首からは舐められるだろうな。」
「ケネディ大統領は四十三歳で就任でしたが…、それよりも今の各国の指導者を見ていると国のトップリーダーと言うのは本当に大変だと思います。
そんな立場は目指さず、和馬には社長ぐらいの地位にいて欲しいです。」
「そうよね、皆さんお国の為を考えて行動されてるのでしょうけど、確実に反対派が存在するわ、正論を語っても、利害関係、それが実際にどうであれ体感的というか感覚的な意識が勝ってしまうと、説得なんて和馬でも無理なのよ。
市民政党若葉が政権を握ったら、それを積極的に支援する立場で充分だと思うわ。」
「そうだな、その時の為に俺達が出来る事を考えてみるか。」

自分自身総理大臣になろうとは思っていないが、何時の日か市民政党若葉が政権を握った時は力になれる存在でいたいと思う。
総理大臣、現実的ではない話が出来るのも旅の解放感故のことだろうか。
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