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挑戦-02 [シトワイヤン-07]

予想はしていたが、自分が使った拝金主義という言葉と親父が社長だという事を結びつけ、揶揄する反応がそれなりに有ったみたいだ。
翌日の放送。

「和馬は注目されているのね。」
「お蔭さまで、嬉しい限りです。」
「お父さまのことは良いの?」
「ろくに調べもしないで会社のイメージダウンを計る人達に対して、法的に対処すべきかどうか検討しているそうです。」
「ここで、はっきり説明したら?」
「そのまま会社の宣伝になってしまいますが良いのですか? 」
「犯罪者が育つ過程より、和馬の背景に対して興味の有る方の方が多いと思うわよ。」
「そうですね、社長イコール拝金主義だと短絡的に考える方には理解出来ないかも知れませんが、父の会社は所謂優良企業、大企業では実現しにくい高レベルな職場環境を実現してると若い社員の方が誇らしげに話してくれます。
と自分が話しても信じて頂けないでしょうから…、そうだな、清香、VTRにまとめてくれるか?」
「はい。
梅子姉さん、和馬のお父さまは素敵な方なのですよ。」
「そうみたいね、息子を見れば分かるわ、どう、知る人ぞ知る柚木社長のことも紹介したら?」
「ふふ、うちの父の方がより拝金主義者に近いと思われていそうですものね。
私達の紹介は先週で終わりと考えていましたが、康太や愛華の注目度も上がっています。
VTRは長くするより、本数を増やした方が宜しいですか?」
「ええ、清香さん達が頑張ってくれると番組スタッフの気が緩みそうだけど、でも安心してね問題外のスタッフには永遠の夏休みを差し上げますから。」
「ここの仕事に向いてない方々ですね、でも、どうしてこの仕事を選んだのか、どうしてまともに働けないのか教えて頂きたいと思います。
夏休みになったら、ひきこもるのか、犯罪に走るのかも含めてですが。」
「清香さんの周りにはいないタイプなのね、私達で研究してみる?」
「あっ、私は大丈夫です。」
「近づきたくないのね、お~い、責任者、最近怪しげなスタッフ増えてない? 大丈夫?
清香さん、番組内容だけに大ナタ振るうと思ってる輩もいるけど、スタッフにも喝を入れていくからね。」
「はい、実験的、挑戦的な企画の足を引っ張る存在は必要ないと思います。」
「と、まあ内部事情も紹介させて貰ったのですが、CM前に和馬から一言どうぞ。」
「何も知らないのに調べもせずに、SNSで誹謗中傷した皆さん、恥ずかしくなると思いますので、この番組を見るのは、やめた方が良いかも知れませんよ。」
「和馬、視聴率下がったらどうするの?」
「はは、御免なさい。」
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