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近衛予備隊-292 [高校生バトル-72]

「国立学校での学習は君たちが近衛予備隊で経験したのとは随分違うのかな?」
「そうですね、近衛予備隊は十二歳以上ですし学習に前向きな子ばかりですが、国立学校では学習意欲の無い子もいます、六歳から十五歳までの他に英語学習などに取り組む大人も来ていますので。」
「大変そうだな。」
「でも、近衛予備隊が特別なので有って、彼らは普通の子達なのです。
 ただ、リーダーになって手助けしてくれそうな子は十二歳から予備隊に入ってしまうので…、自分の指導した子が近衛予備隊に入隊してくれるのは誇らしいことなのですが、残念な気持ちも有ります。」
「成程、近衛予備隊隊員を実習生として派遣する話は前向きに進めるよ、まずは十六歳ぐらいから試すのが良いかな?」
「はい、それでお願いします。」
「ジョン王子、近衛予備隊から高等学校へ移行する話を聞いたのですが、高等学校は何歳からになるのですか?」
「高等学校のスタートは近衛予備隊をそのまま移すから十二歳からになる。
 高等学校に名称を変更する時点で、生徒が希望する専攻に応じた学習環境を更に充実させて行くと担当者は張り切っているよ。
 う~ん…、近衛予備隊で行ってる学習内容を国立学校に下ろして行くべきなのかな。」
「職種によると思いますが…。」
「確かにそうだ、インフラ整備関連の現場作業から現場監督程の知識は無くても、それなりに分かってる人材が欲しいと聞いたことが有る。
 そう言った職業訓練は国立学校はでなく職業訓練校が担った方が良いのかな、君たちはどう思う?」
「先進国では十八歳ぐらいまで学校に通う所が一般的で更に大学に進学する人も少なくないと聞いています、それを考えたら義務教育年齢を過ぎてから職業訓練の学校に通うのは悪くないと思います。
 国立学校では、近衛予備隊と違って職業訓練の成果は充分とは言えないのですが、普通の子の成長速度を考えたら彼らが特別怠惰と言う訳では有りません。」
「ジョン王子、職業訓練校を充実させるにしても、そこまでの予算は有るのですか?」
「難しい所だ、国立学校の予算を増額するのにも反対する人がいるぐらいだからな。
 職業訓練校を充実させて行くとしたら、会社の予算で出来ないか検討して貰うことになる。
 入社前から社員教育をして行くのだと説得すれば…、その対象となる人数にもよるが。」
「そこは、会社が必要としてる人数を基準にすれば良いと思います。
 農業改革や工場の増加で働く先は有るのです、ただ、その労働力の質をワンランク上げることを考えると、そこには誰かに強制されることなく、上を目指す気持ちの有る子が必要だと思うのです。」
「自分の意思で職業訓練校を目指す子の為の訓練校にすべきなのだね。」
「はい、職業訓練校は高等学校にしないのですか?」
「それは検討に値するね、学校制度はまだまだ完成に程遠いからな。」
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