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近衛予備隊-291 [高校生バトル-72]

 学校に関係する法整備の検討は進んでいる。
 義務教育内容を私立学校でも必修とし全国で統一する方針に基づき、教科書の内容も再検討。
 法律上義務教育に関する内容は国定教科書に沿ってとなる。
 王国騎士団メンバーとの食事会、今日は国立学校で教職に就いている人達と。

「教科書の見直しには君たちの意見も反映されるのかな?」
「今まで議論を重ねて創り上げて来た教科書ですが、私立学校で使われることは想定していませんでしたのでその見直しが中心になります。
 私達現場の教師が口出しする必要は無いでしょう。」
「なるほど、担当者にお任せと言うことだね。
 私立学校は一年ごとに進級、国立学校は単位習得試験に合格したら教科毎に先へと進む、そのどちらでも問題なく使える様に検討しているが、教科書の使い勝手が悪くなる可能性はないのかな?」
「完成したものを使い問題が有ったら修正して行く、今の教科書はそうやって作られて来ましたので、これからも同様になると思います。
 用意された学習内容を何の疑問も抱かず教えて来た私立学校の代表者は、王国騎士団のリーダーに対して論理的に説明出来ないと聞いていますので心配していません。
 ただ、今まで義務教育の内容を中心に検討して来ましたので『集団とリーダー』など、選択教科の教科書は今も簡単なまま、履修する生徒の少ない教科は一人の教師が複数を同時に見なくてはならないことも有り、指導が充分とは言えません。」
「そうか、『農作業実習』とかなら現場の人に任せられるが、それが出来ない教科だね。」
「教材が充実すれば自習中心に出来、生徒同士で理解を深め合ってくれるとも思うのですが、近衛予備隊のメンバーとは違い意識も能力も低いですから…。」
「選択教科の為に教員を増員すべきなのかな?」
「そこは微妙なのです、増員された教員の資質が…」
「確かに誰でも良い訳ではないものな、スタート時はカリキュラムもいい加減で教師役を国軍の兵士に押し付けたりもしたが、君達が頑張ってくれたから、もうそんなレベルでは無い。
 近衛予備隊の様に、先輩が後輩の指導をすると言うのはどうだ?」
「その先輩を育て切れていないのです『教える』を選択してくれる子も少ないですし。」
「教員を目指す子が少ないのか?」
「自分達が将来就く職業としては、親の仕事をイメージしてる子が多いのです、彼らの親に教師はいません。」
「教師の資質を持った子は?」
「いるのですが、そんな彼らには技術者の道を歩んで欲しいとも…。」
「う~ん、どうなるか分からないが、近衛予備隊メンバーを、まずは君の学校に送り込んでみようか。
 小さい子達の指導をして貰いつつ、年長の子達と共に学ぶ時間は作れるだろ。」
「希望してくれる子が居れば良いのですが。」
「教育実習生とセットで送り込むよ、彼らにとっては日本からの教育実習生をフォローする実習としての派遣になるかな。」
「私の赴任先は王国から結構離れているので教育実習生が来ないのですが。」
「君が指導担当教官になってくれるのなら、すぐに希望者が出て来るさ、募集は原則指導教官の写真付きだからね。
 教育実習生には厳しく、予備隊メンバーには優しく頼むよ。」
「ジョン王子にお願いされたら断れません。」
「教育実習生の資質も見極めて英語教員養成専門学校へ報告を入れて欲しいのだが、それは予備隊メンバーと相談しながら、となると忙しくなり過ぎるのかな?」
「近衛予備隊と言う部下を付けるからもっと働けと言うことですよね、自分が楽になるかどうかは私の指導力次第、予備隊は人数が増えて若干レベルが落ちたとは聞いていますが、それでも間違いなく能力の高い子達、是非お願いします。」
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